No.32 地方から発信する映画を作っていきたい
映画監督
「こころ静かに眺めると、沁みわたってくる水彩画のような映画を、地方から発信していきたい」と話すのは、長年ドラマや映画制作に携わり、55歳で初めての監督作品「ゆずの葉ゆれて」を撮影した神園浩司さん。
神園さんは、都城市高城町出身。「小学生の頃、家で観た『ローマの休日』に感動して、夜眠れなくなったことを、今でも覚えています。映画が大好きで、千日通りにあった映画館へも、よく足を運んでいましたね」と微笑んだ。この頃から、映画の仕事に就きたいと考えていた神園さんは、高校卒業と同時に東京の専門学校へ入学。
卒業後はフリーランスとして、「土曜ワイド劇場」や「仮面ライダー」など、数多くのドラマや映画制作に携わった。「始めは、カチンコを打つ仕事からスタートしました。作品を重ねていくにつれ、チーフ、助監督と立場が上がり、できる仕事の幅や役割も広がっていきましたね。私達の時代は、先輩達が仕事をしている姿を盗み見て、学んでいくというスタイル。一つひとつの仕事を丁寧に積み上げてきたことが、今につながったと感じています」と語った。
今回の映画は、「鹿児島市 椋鳩十児童文学賞」 受賞作品である、佐々木ひとみさんの「ぼくとあいつのラストラン」が原作となり、鹿児島市の全面バックアップの下、作られた。脚本も手がけた神園さん。「今の時代、CGを使った映画作品が多い。しかし、CGを使わなくてもよいものは作れます。この作品は、そんな映画です。都城市で初めて上映することになったので、多くの方に観に来ていただけると嬉しいですね」と語った。
本作品は、ロシア南部のソチで開催された「第1回ソチ国際映画祭」で、主演の松原智恵子さんが主演女優賞、それからロシア連邦映画監督協会会長賞も受賞している。監督が表現した「家族愛や地域愛」が、世界でも認められた結果となった。
都城市出身の監督が撮った「ゆずの葉ゆれて」は、観終わった後、優しく幸せな気持ちになれる作品だ。ぜひ、多くの方に観て欲しい。
日時/5月7日(日) 1回目:10時~ 2回目:14時~
場所/高城生涯学習センター
出演/松原智恵子・津川雅彦
出演/山時聡真(子役)・西村和彦・小林綾子
入場/無料
※整理券を配布します。詳しくは、高城生涯学習センターにお問合せください。