中霧陶苑
■取材協力/中霧陶苑
窯元 森元良三(58)
都城市山田町山田4987番地2
(かかしの里敷地内)
TEL/0986-64-0448
定休日/不定休
(※展示会などで長期休みの場合がありますので、来店前に電話でご確認下さい。)
今回は昭和62年創業の中霧陶苑の窯元で、宮崎県陶芸協会会長の森元良三(よしぞう)さん(58)に話を伺いました。
27歳の時、「一生続けられるものづくりの仕事がしたい」とサラリーマンを辞め、以前から興味があった陶芸の世界に飛び込みました。某窯元で約2年間修業。その後、鹿児島などの窯元で勉強し、山田町中霧島地区で開窯しました。「地域活性化のためにかかしの里の敷地内で製作をしませんか」と山田町から話を頂き、平成7年1月、現在地にアトリエと登り窯を構え、移築しました。
開窯から2年位は食べていくのがやっとの状態でした。販路を見出すために各地の展示会に参加したことから窯を知って頂く機会が増え、料理店などから注文を頂くように。今では地元のお店や福岡、名古屋などの料理店から注文を頂いています。「料理が引き立つように」というオーソドックスな注文が多い中、近頃は若い方が個性的な作品を好まれる傾向にあります。いい刺激になり、勉強にもなります。
今でも年に3、4回参加している展示会はお客様と直接話ができる貴重な機会です。お客様のご意見やご要望などを取り入れながら製作することもあります。中には、「気に入っているから同じものを作って欲しい」と私が若い頃に作ったものを持参される方も。大切に使って頂いていることがうれしく、この仕事をやっていて良かったと思える瞬間でもあります。器を介してたくさんのご縁があることに感謝です。
現在の主力商品は粉引きの日用雑器。温かみのある白い色が特徴で、料理を選ばず使いやすいと好評です。個人的に好きなのは灰かぶり。釉薬(ゆうやく)を使わず登り窯で焼いた灰かぶりの花器や壷、器は火の色が特徴で、実に味があります。登り窯では2日間火を焚き続けます。窯開けの時は「どんな作品ができているのか」と毎回ドキドキします。初恋のような気分とでも言いましょうか(笑)。それ位、心が躍る瞬間です。
今後は、火山灰やボラ土など地元の土を釉薬に使った器作りを再開していこうと考えています。そして、いつもの食事がごちそうになるような、使って頂く方の日常生活が少しでも豊かになるような素朴で味のある民陶を製作し続けたいと思っています。 (順)
森元さんのアトリエの隣では次女のともえさん(25)が陶芸教室を開催している。参加者の年齢、性別は様々で、初心者の方から定期的に参加している方もいるという。気軽に作ることができるコップや小皿などは初心者に人気。ろくろ体験もできる。
自分用やプレゼント用に、オリジナルの器を作りませんか。丁寧に指導してくれるので初心者でも気軽に参加できますよ。
・日時/毎週木曜日18時〜約2時間程度。
※ 予約制
※ 木曜日以外の日時はお問合せ下さい。
・料金/材料費込み1500円位から。