博多 あか星編
今回の職業体験はラーメン屋『博多 あか星』さんに行ってきました。ピリッとした赤ダレが特徴的なとんこつラーメンのお店です。
【1】スープ編
『あか星』さんのラーメンの命であるスープは、豚骨を使って取るスープと、そのスープに味を付ける元ダレを混ぜることで完成します。元ダレは企業秘密ということで、豚骨から取るスープ作りを体験しました。大きな寸胴に入れるのは骨と水だけ。じっくりと煮込みます。30分に一回、水を注ぎたしながら、骨が焦げ付かないように大きなヘラでかき混ぜます。これの繰り返しです。どこまで煮込むかは店主の感覚。スープのとろみ等で判断するとのことだったのですが、私には全く分からなかったです。
出来上がったスープは骨の欠片等が入らないように漉して、別の寸胴に移し変えます。この時に使う漉し器の網目の大きさによって、スープの舌触りが変わってくるのだそうです。骨やスープの状態で、スープを取り終えるタイミングを見極める様子は、経験に基づく感覚が物を言う、まさに職人技でした。
【2】チャーシュー編
ラーメンに欠かせないもの、それはチャーシュー。そのチャーシュー作りを体験しました。『あか星』さんでは、スープの味を楽しんでもらうために、チャーシューはスープの味を出来るだけ邪魔しないよう、スープに使う元ダレで味付けされています。まずは下準備。豚肉の塊をネットで包みます。これは、作っている途中で肉が崩れてしまうのを防ぐためです。ネットをかけ終わると次は軽く茹でてアクを取り、その後、表面に付いたアクを水で洗い流して綺麗にします。アクが残ってしまうと味に影響が出るので、出来る限り取り除きます。そして元ダレやその他調味料を混ぜたタレで煮込みます。様子を見ながら煮込むこと数十分で完成です。
スープやチャーシューが出来る迄の間、ボーっと立っているわけにもいきません。お昼時を過ぎていましたが、お客さんの入りは上々。やることは沢山あります。食器を洗い、器を下げ、机を拭いたりと私にも出来ることをします。お客さんが入店された時、退店される時には、「いらっしゃいませ!」「ありがとうございました!」とハキハキとした心地良い声が店内に響き渡ります。私も負けじと大きな声でお客さんを迎え、感謝の言葉を伝えます。全ては美味しいラーメンを食べて気持ち良く帰って頂くためです。
営業中は、ラーメンを作りながらスープやチャーシューの具合を見るので常に大忙しです。でも、その作業の一つひとつが手を抜いていい作業ではなく、美味しいラーメンを食べてもらう為に妥協しないその姿は、まさに職人でした。しかも、それだけでなく接客等も含めて、「あそこのお店良かったね」と言ってもらえるような配慮も行き届いているように思いました。
私も一つひとつの仕事に妥協なく、最初から最後までお客さんに気持ち良く、仕事を頼んで良かったと思われるよう、見習っていきたいと思う──そんな職業体験でした。
今回ご協力くださった皆さん、ありがとうございました!
TEL 46-1221
※「きりしまフォーラム2016年11月号」P28もご覧ください