きりしま語録

●日晴れ 〜ヒハレの文化〜

手前味噌ではあるが、「きりしまフォーラム」は他のフリーペーパーとは異なり、広範な職種の広告が集まるのが特徴だ。その多くは「定型レイアウト」というものがなく、広告主様が、思い思いのアイディアで広告の内容やデザインを考案して下さる。その色とりどり、多種多様の広告を見ていると、それぞれに「季節」が感じられることがある。

 

飲食店の広告からは忘年会に新年会、歓送迎会にビアガーデン。美容室からは成人式に入学式。フォトスタジオはさらに季節感たっぷりで、七草祝い、卒業祝い、敬老祝いに七五三・・・と続く。そうしたキャッチコピーに「もうそんな頃か」と新たな季節の到来を気づかされることも多い。と、改めて周囲を見渡すと、今も確かに秋の草、秋の虫が。いかに日頃、自分が季節の移ろいに鈍感な生活を送っているかが分かる。

 

さて、私はきりしまフォーラムの仕事に就いて間もない頃、「日晴れ」という言葉を知らなかった。フォトスタジオの広告に初めてその言葉を見た時は「日本晴れ?」「天日晴れ?」などと誤植を疑ったものだ。同僚に確認すると誤植ではなく「日晴れ(◎ひはれ。×ひばれ)」という行事だという。無知を恥じて教えを請うと、旧島津領に伝わる伝統行事だと判明。県外出身者の私には馴染みがないはずだ。

 

日晴れ(ひはれ)とは本来、産の忌みがあけることを言う。出産は「血」と関係が深く、古くは穢れ(けがれ)たものとして、産婦や産婆は、一定期間家にこもり、神の祀りや他人との接触を避けるものとされていた。生命の誕生という人生最大の慶事を「穢れ」と言われてご気分を害される方もおられようが、そもそもこの習わしは、産後の肥立ちをよくするため、産婦に休養させるためのものかもしれない。

 

そしてその忌み明けに、お宮参りをするのが「日晴れ」だ。氏神、産土神(うぶすな)に詣で、我が子の健康を祈願する。男児であれば31日目、女児であれば33日目。これを旧島津領や九州の一部で「日晴れ」という。要するに「日晴れ」=「初宮参り」である。(ただし、日晴れは男児を30日目とする所が多い)

 

広辞苑には「火晴れの意か」との註釈がある。忌み明けまではかまどに立つことも禁じられたそうだから、文字通り、晴れて火の前に立てるという意かもしれない。また、火には「災い」の意味があり、生命の危険にさらされる「災い」から無事晴れた、という説も成り立つ。さらに火には「月経」という意味もある。いずれにしろ、火晴れが日晴れに転じ、今に伝わったのであろう。

 

都城には日晴れ以外にも独特の習わしがたくさんある。「七草祝い」にしても、他の地域では七草粥を食べて胃を休めるくらいの意味しかないが、都城をはじめ九州各地では、子どもの成長を祝い、無病息災を祈願する日となっている。子どもに限らないが、無病息災を祝うという点では六月灯も独特の伝統行事だ。

 

最近は都城にも、市外、県外から移住してきた人が増えた。住み心地がよいからか、あるいは都城が発展してきたからか。いずれにしろ、人が集まるのは喜ばしいことだ。ただ、移民が増えるとその地域ならではの習わしが廃れる、というのが歴史の常。街が発展しすぎると、季節感に欠ける殺風景な街になる、というのも世の常。都城に住むのであれば、出身や育ちにかかわらず、この街の自然や伝統文化を愛していただきたい。小誌でも、多くの広告主様のご協力を仰ぎつつ、季節感や伝統文化を伝える記事を多く発信していきたい。本日も、都城の景色は「天晴れ(あっぱれ)」也。

 

(2009.10.09)

●絵ごころ

きりしまフォーラム6月号の表紙は「どうぶつたち」。都城市立上長飯(かみながえ)小学校2年、猪鹿月麻莉ちゃんの作品である。色のバランスといい、どうぶつの描写といい、とてもうまい。私には小学3年生の娘がいるが、こうもうまくは描けまい。

 

さて、絵の上手な子どもというのは、脳の発達が速いらしい。確かに、未就園児の子どもに比べ、小学生の絵は格段に上手だし、運筆の上手下手というのも、脳の発達と無関係ではあるまい。また、低学年の間は男の子より女の子のほうがおませだというが、おしなべてその年頃の女の子は男の子に比べ絵がうまい。よくお絵かきをして遊ぶから、という理由だけではあるまい。口げんかをしても、たいてい男の子は女の子に言いくるめられる。もちろん性格もあろうが、とどのつまりは脳が発達しているのだろう。

 

一方で、何人かの子に画用紙を渡し「自由に絵を描いていいよ」と言うと、紙一面はみ出すようにのびのびと絵を描く子もいれば、スペースが余っているのに、小さい絵しか描かない子どももいる。これはどうだろう。発育とは関係ないような気がする。ある説によれば、絵は子どもの心理状態を表しているという。のびのびとした絵を描く子は心が解きはなたれているし、そうでない子は心が抑圧されているのではないか、と。

 

しかし、私はそうは思わない。心理状態とまったく無関係とは言わないが、これはその子の個性も関係しているような気がする。小さい頃のかすかな記憶を辿れば、いつもみんなをいじめていた暴れん坊のカツヒコくんは、実に自由奔放な絵を描いていた。紙からはみ出すように、どころかいつも、紙をはみ出して机にまでクレヨンを塗りたくっていて、よく先生に叱られていた記憶がある。逆に、小さな絵をちょこちょこと、しかしとても上手に描いていたマリちゃんは、私がおもらしをすると、一緒に手をつないで先生のところへ行ってくれる、心の優しい女の子だった。ついでに言うと、大阪に住む私の甥っ子は、「海を描け」と言われて一面茶色に塗った。何か心に問題が、と心配されたが何のことはない。彼の少ない体験の中では、大阪の海は茶色に見えたというだけだ。子どもたちは千差万別、十人十色だ。暖色系を多用する子もいれば、寒色系を好む子もいる。絵は上手にこしたことはないが、赤い色を好んで使うから好戦的、ブルーを好むからクール、などと決めつけられてはたまったものではない。

 

さて、猪鹿月麻莉ちゃんの上手な絵を見て、うちの娘に発破をかけてやろうと思っていた矢先、離れて暮らす私の母から電話があった。たわいない世間話をしていたら、母の日の話になった。贈ってやった荷物の中に娘の絵手紙が入っていて、心温まったと言う。「下手だろ?」と言おうとしたら「うまいねぇ。あんたの絵とは大違いじゃ。あんたは大きゅうなっても、お多福しか描かんかったけん……」。

 

母ちゃん、聞き捨てならんな。そらお多福を描いたんじゃなか。あんたを描いたとばい──。

 

(2009.05.30)

●インナーマッスル

六〇の手習いならぬ、四十の手習いでバドミントンを始めて3年になる。子どもと一緒にできる趣味を、と考えて近所のサークルに入ったのだが、今や娘そっちのけで夢中になっている。

 

学生時代から様々なスポーツをこなしてきたが、それでも一週間に一度やるかやらないかで上達するほどバドミントンは甘くない。ゲームで若い人にしてやられるならともかく、時に子どもや年長者にまでコテンパンにやられる。この年で鼻の先であしらわれるのは誠に悔しいものである。

 

先日、仕方なく年下の上級者に頭を下げて教えを請うた。曰く、上達するためのポイントは「フォームを固定してブレを直すこと、シャトルを打つタイミングを掴むこと、インナーマッスルを鍛えること」。要するに「基礎をしっかり培え」とのお達しである。

 

さて、都城市にお住まいのミツルママさんから小誌宛てにお便りをいただいた。「最近はインナーマッスルを鍛えるのが流行していますが(略)『インナースマイル』を心がけるのも良いかな〜と思います」。インナースマイルとは上辺だけのスマイルではなく、心の中から微笑むことのできる能力だそうだ。心から感動したり楽しんだり、優しい気持ちで相手に接することのできる人でなければ「心の微笑み」はかなわないのだという。

 

さて、この春から新社会人になる人も多いかと察する。社会人になると、とかく笑う機会が少なくなる。学生時代と異なり、毎日が真剣勝負なのだから当然といえば当然だが、年を経るにつれて笑顔が減るのは、それだけが理由でもなかろう。

 

誰が言ったか、企業戦士なるものは一つの成功を手に入れる度、一つを失うのだという。よく引き合いにされるのが「友だち付き合い」。社会人になると、友人と遊んだり会食したりする機会が減る。有能で仕事にのめり込む人ほどその傾向は顕著だ。悪友曰く「あいつは変わったよな」。変わらないほうがおかしいとは思うが、悪友氏の言うことも分からないでもない。

 

また、家庭を顧みない人もいる。妻曰く「仕事と家庭とどっちが大事?」。企業戦士と自負する人なら一度や二度、このセリフを投げつけられたことがあろう。しかし仕事あっての家庭なのだから、仕事優先になってしまうのは仕方がない。成功を掴むためには、妻の愛を失うことも恐れてはならん──これはしたり、新社会人を激励するつもりが、自分を励ます言葉になってしまった。

 

話を戻そう。とにもかくにも、成功を手に入れるために笑顔を失ったとあっては、それは人として寂しいことである。それに、仕事で成功するためには笑顔が欠かせない。商談をする際も、上司や部下と話す際も、魅力的な笑顔は人を惹きつける武器となろう。楽しんでこその仕事、楽しんでこその人生。仕事が楽しければ人生もまた楽し。その逆も然りである。

 

とはいえ、フレッシュマンズはともかく、しかめ面がすっかり身についてしまった我々中年世代にとって、微笑むという行為は簡単なことではない。酒を飲んで馬鹿笑いをすることはできるがそれとはちょっと違う。皮肉めいた微笑みは作れるが心の微笑みとは似て非なるものだ。

 

前述の上級者氏曰く、ブレを直し、タイミングを掴み、インナーマッスルを鍛える最高の練習方法は「素振り」だそうだ。とすれば、作り笑いと微笑みとのブレを矯正し、笑うタイミングを掴み、魅力的なインナースマイルを手にする場合も、「素振り」が効果的かもしれない。

 

鏡を見て、ぎこちなくも微笑む素振り<そぶり>をしていれば、いつか、心から微笑むことができようか。にやり。

 

(2009.03.31)

●薬の売人・今むかし

「さてさて、おたちあい。ここにとりいだしたるは……」。ご存じ、がまの油売りである。このがまの油、元は茨城県の筑波山で、寺の上人が農民のために作った塗り薬であったと言われている。「ひび、あかぎれ、しもやけ、キズの妙薬」と口上にあるから、今もある軟膏の類であったのだろう。

 

民話によると、初めてこの塗り薬を売ろうと考えたのは兵助という百姓であった。兵助の一風変わった出で立ちと巧みな口上でがまの油は飛ぶように売れ、その後、雨後の筍のように兵助の売り方を真似る売人が現れた。

 

さて、巷ではインターネットを介した薬剤販売の是非が問われている。是とするのは楽天・三木谷社長をはじめとする経済界。非を唱えるのは、厚生労働省や薬害被害者団体。改正薬事法通りに販売が規制されれば、多くの販売業者がたちまち窮地に陥ることになり、三木谷社長も必死である。

 

現行の薬事法にはインターネット販売禁止の規定はなく、販売は認められていないまでも事実上「黙認」されてきた。厚生労働省は、副作用の危険が低いビタミン剤などの商品に限り販売を認めると通知してきたが、実質的には野放し状態だ。

 

一般用医薬品(大衆薬)は副作用のリスクが高いとされるが、用法・用量を守ればそれほど危険な薬ではない。ただし、乱用による依存症・中毒のリスクや、大量服薬による自殺助長の可能性も否定できない。とりわけ、知識や分別のない子どもたちが容易に薬を手に入れられる状況は危惧されて然るべきだろう。

 

油売りの口上ではないが、派手な謳い文句や、さも著しい効果・効能が得られるかのように宣伝しているサイトも少なからずある。特にダイエットや美容に効果のある健康食品、化粧品の中には、油売り顔負けの誇大広告もしばしば見かけられる。医薬品はかろうじて「薬事法」のフェンスに守られているが、いずれ箍(たが)が外れる時がきっと来るだろう。それを考えれば、医薬品はきちんとした薬剤師の服薬指導のもと、購入するべきである。

 

ただし、三木谷社長が言うように、「どうしてネットだけ」という疑問は残る。コンビニでも一般薬の販売が一部解禁されたが、いかに対面販売といえども、アルバイト店員がほとんどを占める状態ではこれまた野放しだ。さらにはドラッグストアにおいてもその危険性はある。ドラッグストアの経営には管理薬剤師が必要だが、レジに薬剤師が常駐しているとは限らない。コンビニと同様、パートやアルバイトの店員がいることもある。そのような中、きちんとした服薬指導が行われるかどうかは疑問だ。厚生労働省はその辺りを考慮し、一部の業界だけに不利益が与えられることのないよう慎重に判断しなければならない。

 

「1枚が2枚、2枚が4枚、4枚が8枚、8枚が16枚……」。油売りは薬を塗った刀を用い、白紙をざくざくと切り刻んでいく。最後には「紙吹雪のできあがり〜」となって油が飛ぶように売れていくのだが、がまの油は薬草を使った軟膏だから、騙されたと後から思った客はいても、薬害を起こした者はおるまい。しかし、今日の薬剤販売は違う。薬の中には「1錠が2錠、2錠が4錠、4錠が8錠……」といった具合に、常習・乱用のリスクを伴う薬もある。そうした時、切り刻まれるのは、服薬者の心身と人生である。

 

(2009.02.27)

●都城人

明けましておめでとうございます。皆様良いお年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

本年も「きりしまフォーラム」ならびに「きりフォーねっと」をよろしくお願い申し上げます。

 

きりしまフォーラム2009年2月号で、毎年恒例になった「2008都城アワード」を発表する予定だ。ご存じない方のために説明しておくと、これは2008年中、もっとも注目された都城の人、店、トピック、イベントなどを振り返る企画で、全て読者の方々からの投稿にもとづいている。

 

ある一通の投稿に、2008年中最も目立った都城人として、「青島アキナ」という名が挙げられていた。ご本人にはハナハダ失礼ではあるが、筆者はその人物を存じ上げず、調べてみたところ……ム。とてもグラマラスな美女である。

 

1987年生まれとあるから現在21歳。都城市出身のグラビアアイドルで、先頃、東国原知事より宮崎県のPR大使に任命されたとある。公の場でも都城訛りがついて出るので、他のタレントからは「ナマ・ドル」などと呼ばれているらしい。オフィシャルブログも公開されているので、「お気に入り」にしたい方はどうぞご覧いただきたい。

 

さて、オヤジの趣味はこれくらいにして、都城出身の有名人と言えば、どんな名が挙がるだろうか。東国原知事は周知として、「釣りバカ日誌」の原作者である、やまさき十三氏、俳優の永瀬正敏氏、プロ野球の入来兄弟、Jリーガーとしては戸田光洋選手あたりだろうか。その他、シンガーソングライター・馬渡松子さん、ギタリスト・宮路一昭氏、小誌1月号で紹介した「Spirit」は延岡市出身だが、都城ゆかりの女性デュオと言ってよかろう。

 

地方都市にしては、意外に多くの著名人を輩出している。それも芸能から文学、スポーツ、音楽とジャンルが幅広い。才能に長けた人物がこれだけ多く輩出されるのは、都城市が子育てに適した環境だからではないか、と筆者は考えている。教育熱は高いが学問一辺倒の都心部に比べ、都城市では家庭、教育機関、そして地域が一体となり、情操教育を大切にした質の高い教育が行われているように思う。言わば才能や個性を伸ばしやすい環境にあるのだ。

 

現在、都城市には16万8千人の人口がいる。そのうち、大学生以下の若者・子どもの数は3万8781人。都城市全体の約23パーセントにのぼる。日本の総人口に占める22歳以下の割合は21パーセントだから平均より多く、それだけ夢や希望に溢れた町、とも言える。さらに4月からは南九州大学の都城キャンパスも開校されるから、都城出身ではなくてもゆかりの有名人が増える可能性がある。

 

もちろん、必ずしも有名になる必要はない。大切なのは子どもたちが大人になり、社会においてどれだけ価値あることを行うか、だ。

 

実在の人物ではないが、浜崎伝助(通称:ハマちゃん)は、日本一有名なみやこんじょでありながら、鈴木建設では万年ヒラ社員を通している。だが、決して仕事ができないわけではなく、仲違いをしている二人を同じ交渉のテーブルに着かせたり、膠着状態にあった事柄を進捗させたりと、実は折衝・調整能力に長けた人物である。どうやらみやこんじょには「能あるタカは爪を隠す」タイプが多いらしい。

 

勉強でもスポーツでも音楽でもいい。習字でもそろばんでもドッヂボールでもいい。大切なのは、それぞれのフィールドで精一杯頑張ること、そして自分の目標に向かって歩みを進めることだ。

 

2009年、羽ばたけ! 都城の子どもたち!

 

(2009.01.09)

●燕と空き巣

昨春、隣家の軒に燕が巣をはった。新興住宅地ということもあり、隣家は築六年。木訥だが気さくな人柄の主人によると、営巣したのは昨春が初めてという。

 

古来、「燕が巣を作ると縁起がよい」という言い伝えがある。迷信を信じるほうではないが、商家などではない限り、燕が営巣して迷惑だという人はそうそういまい。私もどうして我が家に来ず、隣家なのか……とやっかみもしたが、それはそれ、燕の都合もあろう。

 

だが、隣家からすると燕の巣も喜んでばかりはいられないそうだ。なにしろ「落とし物」がすごい。泥やら枝やらはまだいいとして、糞には悩まされる。隣家の場合は玄関の軒だったから、そこを通らないわけにはいかないし、掃除もしなくてはならない。

 

時にはひなが落ちてくることもあったそうだ。気付いて何度か巣に戻したそうだが、何度も落とされる。きっと兄弟の間でも熾烈な生存競争があったのだろう。あの落とされたひなはどうなったか。きちんと成鳥して、今頃東南アジアにでも渡っているか……そう案ずる隣家の主人の様子を見ていると、やはり燕の飛来は喜ばしいものらしい。今はもちろん「空き巣」である。

 

さて、空き巣は空き巣でも、全く歓迎されない空き巣がある。侵入盗だ。宮崎県内で平成19年中に起こった侵入盗の件数は、認知されただけで1,387件。そのうちの約四割が「空き巣」である。これからの季節、特に増える。

 

空き巣を防ぐ手だてとして、宮崎県警ではドアに複数の錠を取り付ける、敷地の死角をなくす、二階への足がかりとなるような物を置かない、家の照明は明るくする、といったことを勧めている。しかし、最も効果的なのは、「出掛ける時には鍵をかける(確かめる)」「出掛ける時に近所に一声かける」等、日々の心がけという。

 

都会では近隣との関係が希薄という地域も多いが、幸い、ここ都城市はまだまだ「地域住民の輪」が根付いている。地域ぐるみで防犯に取り組めば、個々の家庭が意識するよりよほど効果も高く、余計な設備投資も必要ない。

 

燕は古巣に戻る特性があるという。とすると、来春になれば、また隣家に燕が訪れるだろう。その日を楽しみに、今は隣家の主人と「空き巣」を見守りながら酒を飲んでいる。

 

(2008.12.02)

●振り込め詐欺

新聞、TV等で連日のように振り込め詐欺のニュースが流れている。宮崎県でも9月末の時点で被害認知件数168件、被害総額1億6800万円と過去最悪のペースで増加しているという。

 

全国的に増加傾向であるが、宮崎県はお隣の鹿児島県、大分県より被害件数、被害額ともかなり多い。振り込め詐欺には、オレオレ詐欺、融資保証金詐欺、還付金詐欺、架空請求詐欺の4種類があり、宮崎県の場合、7月末までの内訳は、融資保証金詐欺が一番多く(59%)、次に架空請求(20%)、還付金、オレオレ詐欺(共に10%)の順となっている。 県内の被害の8割は、ATMを利用したものというが、最近では現金書留、小包を利用する手口や警察署員、銀行員を名乗って直接来る場合もあるという。

 

不景気の中、これから年末を迎える。より一層の警戒が必要だ。被害者の多くは、1時間以内に行動を起こしてしまうという。お金の話になったら1時間は動かず、その間に誰かに相談することが肝要だ。

 

(2008.11.01)