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料理研究家・華野小町のレッツ・ザ・キッチン革命 「♪愛を召し上がれ♪」

今回は、栄養学と食事学の違いについてお話しようと思います。欧米人は予防医学やサプリメントなどをかなり積極的にとり入れています。なぜかというと欧米では全体的に医療費が高いため、病気にならないようにという意識の高い人たちが多いからです。

 

日本の病院では、糖尿病の人には糖尿病の薬、胃が悪い人には胃の薬が出ますよね。当たり前なのですが、そんな時、食事指導や生活指導をしてもらったことがありますか? 日本は3時間待ちの3分診療だから、流れ作業的に薬を出す…。これが問診30分の欧米との違いなのです。

 

でも、薬を飲んで根本の原因を取り除けましたか? ただ症状や結果が少し良くなっただけですよね。

 

仮に食事指導をしてくれたとしても、医師や栄養士は栄養学を基本に考えます。しかし、栄養学的に良くても食事学としてはダメな場合があるのです。そこで、食べ物の特質や吸収形態等を包括的に判断する食事学が必要になりますが、これは私たち自身が正しい知識を身につけるしかないのです。

 

例えば牛乳には、良質のタンパク質、脂質、乳糖、カルシウムが豊富で吸収もよいというメリットの一方で、中性脂肪が多く、中性脂肪は摂取し過ぎると生活習慣病や婦人病などの原因になるともいわれています。一日のカルシウムとビタミンを摂取するためだから…なんて栄養学的な計算だけで食事を決めることは危険な場合もあるわけです。

 

 

【華野小町プロフィール】

都城出身の麗しき料理研究家。管理栄養士。大学卒業後、大手給食会社や医療機関勤務を経て昨年よりフリー。(TEL/26-8041)