ジモトのことをもっと知ろう

「ジモトのことをもっと知ろう! 介護編 第3回」で取り上げた「こけないからだづくり講座」。この講座は、都城市内の各地区にある公民館を会場として、週に1〜2回実施している、30分程度の簡単な体操をする介護予防のための講座です。今回は、『都城市役所介護保険課』から高崎町の『権堀自治公民館』をご紹介していただき、実際の講座の様子を取材させていただきました。

『権堀自治公民館』の「こけないからだづくり講座」

自然豊かな集落の中にある『権堀自治公民館』。この自治公民館での「こけないからだづくり講座」は、スタートしてからもうすぐ2年になるそうです。地区のみなさんで都合のつく日時を話し合い、毎週金曜日の朝9時半からはじめることになりました。取材時に参加されていたのは、60〜90代の9名で、全員女性。ほとんどの方が講座のスタート時から参加されており、ずっと続けてこられたそうです。 小さな地区なので、他の公民館よりも講座に参加する人数は少ないそうですが、少人数である分、とてもアットホームな雰囲気。今回の取材も、温かく迎え入れてくださいました。
この講座で準備するのは、体操の仕方が書かれた大きな用紙と体操する時に流すCDラジカセ、それから参加者それぞれが使用するイスとオモリのみ。準備が整ったら、音楽を流し体操をはじめます。

音楽に合わせて元気よく歌いながら体操

体操は全部で8種類。まずは、イスに座って左右交互に足を真上に上げたり、横に上げたりしながら運動。それからオモリを持って腕の上げ下げや、イスから立ち上がって足の横上げや後ろ上げ、腰をゆっくり上下させる運動が続きます。どの体操もCDラジカセから流れる童謡に合わせて行いますが、みなさん元気に歌いながら楽しそうに体操をされていました。それぞれの体操を始める前に、リーダーの方がどんな効果があるか、また注意点なども話してくれるので、意欲的に取り組めますし、安心です。

一通り体操が終わると、ユニークな歌詞の「ぼけない小唄」を歌い、これもまた自然と笑顔になれる独特な調子の「みやこんじょラジオ体操」の音声に合わせて体操をして、終了。ここまでで1時間弱ですが、和やかな雰囲気の中で行うので、時間が経つのはあっという間でした。

体操が終わると、それぞれ血圧を測ったりして健康状態をチェックし、用紙に書き込んでいきます。これは毎回行っているそうで、健康状態や体操の成果が確認できるようです。

継続は力なり講座を続けて成果を実感

講座に参加し続けてきて、効果はどうか伺ってみたところ、みなさん大いに実感されていました。最初はなかなか思うようにできなかった体操も、続けるうちにできるようになっていったみたいです。「全然できなかった体操も、今は楽々できます。やっぱり続けることが大事だとつくづく思いますね」とうれしそうに話してくれました。

体操の成果は日常生活でも実感しておられるそうです。以前はゆっくり時間をかけないと立ち上がれなかったのが、楽に立ち上がれるようになったり、「身体が軽くなったような気がします」と話す方もいらっしゃいました。中には杖なしでは出歩くことができなかったのに、今では杖なしで大好きな散歩を楽しめるようになった方も。〝できなかったことができるようになること〟を、喜んでおられるようでしたね。

そうした成果が認められ、最近都城市長から『権堀自治公民館』と、この自治公民館で講座に参加する85歳の方3名が表彰されたそうです。
【第5回】権堀自治公民館_写真1

講座を続けてこられたのは楽しみがあったから?

「私はおしゃべりが楽しみで講座にきているんです(笑)」─参加者のお一人がそう話してくれました。講座が終わると、みなさんで集まって茶話会。それがみなさんの何よりの楽しみなんです。お菓子や手作りのお料理を持ち寄って、おしゃべりを楽しむそうです。この日、持ってこられていたのは、具だくさんのかき揚げやたくあん、お菓子。美味しそうにつまみながら、おしゃべりするひとときは本当に楽しそう。毎回おしゃべりが盛り上がり、お開きになるのは、お昼前後なのだそうです。時には、ホットプレートを用意して、みなさんでお好み焼きを食べたり、楽しい時間を作っておられるようですよ。みなさん本当によく笑っておられ、仲がよいのがひしひしと伝わってきました。

都城市内の各地区において講座を実施しています

都城市では『権堀自治公民館』以外に145もの自治公民館などで、「こけないからだづくり講座」が実施されているそうです。それぞれの自治公民館などでみなさんが楽しめるように工夫を凝らしているようですよ。まだ参加されたことのない方は、市役所の介護保険課、もしくは地域包括支援センターにご相談してみてください。
【第5回】権堀自治公民館_写真2
■取材協力/権堀自治公民館

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