高齢社会と言われる今の時代、誰もが目を向けなければいけなのが介護について。今回は、『都城コアカレッジ』を訪問し、講師の日高先生と稻丸先生にインタビュー。
─都城の高齢化はどんどん進んでいきそうですか?
宮崎県の推計によると、都城でも今後さらに高齢化が進んでいく見通しです。それに伴い、これからも介護施設のニーズは高まっていくでしょう。ただ心配なのは、そのニーズに対応できるのかどうか。新たに立ち上げられた施設がある一方、畳んでしまう施設もあります。その原因は人材不足。職員が確保できず、充分に利用者を受け入れられず、経営的に行き詰まってしまって畳んでしまうんです。
─人材が不足している原因は何だと思いますか?
介護職があまりいいイメージを持たれていないからでしょうか。昔の介護の現場というと、暗くて衛生的でなく、臭いが充満しているところが多かったんです。そうした先入観を未だに持っている人は少なくありません。でも、最近の施設は綺麗で明るく、居心地がいいんですよ。施設を訪れて、イメージが全く変わったという人もいます。それに加えて、労働環境が厳しい上に給料が少ないというイメージも人材が集まらない大きな要因なのだと思います。
─実際のところ、待遇と労働環境はいかがですか?
他の業種と比べて低賃金だと思われがちですが、見劣りしないほどに改善されています。たとえば介護福祉士の資格があれば、30代男性の平均給与と同等の給料がもらえます。週休2日のところも増えてきていて、一月あたり何十時間も残業するところはほとんどありませんよ。そしてもう一つ、今後さらに必要性が高まる業種で、景気に左右されませんから、先行きが明るく人生設計しやすい。資格を取得したり、経験値を高めて役職に就いたりすれば、相応の昇給も期待できます。こちらの学校にも将来自ら施設を運営することを見据えて、資格を取りに来る方もいます。
─離職者が多いという話もよく聞きますが……。
もちろん施設で働きはじめたけど、続かなかったという人はいます。ただ、離職率が高いのは仕事がキツいというだけが理由ではありません。介護職は働き口がたくさんあるので、少しでも待遇がいいところをみつけると転職する、というケースが多いんです。特に非正規雇用の場合、その傾向にありますね。そうした人たちの数も含まれるので離職率は高くなり、それがキツい仕事だという印象を強めているように感じます。実際には、やり甲斐を持って働いている人も多く、介護職に就いてよかったという声もたくさん聞きます。
─介護職に就きたいという方に、アドバイスを。
さまざまなタイプの施設がありますから、自分に合った施設を選んでほしいです。一つの施設で長く続けていけるとなると、スキルアップ・キャリアアップの道筋が立てやすいですからね。あと、すぐに施設で働きはじめるという選択肢もありますが、全く経験がないままだとやり甲斐を持つ余裕もなく、キツくてなかなか続かないという話も聞きます。なので、こちらのような養成校も上手く活用してもらえればと思います。経験した上であれば、介護の現場に馴染みやすく、仕事そのものを楽しめると思いますよ。就職を考えている学生のみならず、子育てが落ち着いた主婦の方や転職を考えている社会人の方も、まずその一歩を踏み出してもらいたいですね。
■取材協力/☎38-4811
都城コアカレッジ