複雑社会の老い先案内人 NPO法人二十四の瞳の「ライフケアコンシェルジュデスク」

◎鷹尾に住む60代女性からの質問です。

 

『テレビで、学習療法が認知症予防に有効だと言っていましたが、学習療法について教えて下さい。』

 

A/学習療法は、音読と計算を中心とする教材を、学習者と指導者がコミュニケーションをとりながら学習することで、学習者の認知機能コミュニケーション機能身辺自立機能などの前頭前野機能の維持・改善を図ろうとする学習法です。

 

認知症高齢者のケアのみならず、健常者の認知症予防にも有効であることを、東北大学教授で医学博士の川島隆太氏などが提唱し、子どもたちの学習塾で有名なくもん学習センターが全国の福祉施設などに展開中です。

 

現在の認知症ケアは、従来のように薬物に頼るのではなく、音楽療法・芸術療法などの非薬物療法が主流ですが、これらは残念ながら、「本当に認知症の改善に有効だ」という根拠となるデータがありませんでした。これに対して学習療法は、川島教授らの研究によって、「計算や音読を毎日行うことで、左右脳の前頭前野が活性化し、それが効果的な刺激となって低下しつつある脳機能を向上させることができる」という検証がなされ、ここ数年で急速に普及しつつあります。

 

NPO「二十四の瞳」では、毎月一回、中央公民館にて『生涯青春アカデミー』を開校していますが、4月からは学習療法を取り入れ、国語・算数・理科・社会に体育・家庭科など、小学校の授業形式の講座として運営していく予定ですのでご期待下さい。