トップページ読書道 > 「ドミノ(恩田陸)」

エタンセレクト、読書のススメ。『読書道(どくしょどう)

ここではエタンセレクトの文庫本を中心にご紹介しています。

■ドミノ倒し

──ドミノ牌をわずかな間隔で立て並べ、

端の一つを倒すと次々に牌が倒れ続けてゆく事。

(大辞泉より)

「ドミノ(恩田陸)」表紙今回は、スピード感溢れるパニックコメディ「ドミノ/恩田陸」です。登場人物が27人と1匹と多く、初めは読みづらく感じますが、軽快なテンポで描かれているので問題なし! 冒頭に地図や人物説明も載っているので、分からなくなったら戻って確認を。

 

舞台は、真夏の東京駅。一億円の契約書を待つ締め切り直前の保険会社、お菓子を買い出しに来たOL、迷って彷徨う老人と俳句同好会の友人である元刑事達、過激派の爆弾魔、オーディションを争う子役、ミステリ連合会、変装女、別れを画策する男と協力する美女、B級ホラー映画の監督とペット、映画配給会社の社員、その他大勢…。彼らは、それぞれが切羽詰まった問題を抱え、何かが起きるのを待っている。そんな見知らぬ人々が出会い、小さな出来事を重ねていく毎に、事態はどんどんややこしくなる。そして、ドミノ倒しのように、思いも寄らぬ大事件へと発展し…。果たして、27人と1匹はどんな結末を迎えるのか?

 

展開が早く、次々と小さな事件が起こるので、一気に読み進めることをお勧めします。小ネタ満載で楽しめること間違いなし! キーワードは、「紙袋」です。