トップページ読書道 > 「強運の持ち主(瀬尾まいこ)」

エタンセレクト、読書のススメ。『読書道(どくしょどう)

ここではエタンセレクトの文庫本を中心にご紹介しています。

■強運

──よいことの起きる恵まれためぐり合わせ

(広辞苑より)

「強運の持ち主(瀬尾まいこ)」表紙今回は、日常を温かく描く「強運の持ち主/瀬尾まいこ」です。日々の生活をやわらかく表現する瀬尾まいこ。今作は、4つの話からなる連作短篇集です。

 

ショッピングセンターの片隅で、占い師の仕事をしている元OLのルイーズ吉田。3年前に2日間の研修を受け、占い師になった。師匠のジュリエ青柳は「大事なことは、正しく占うことじゃなく相手の背中を押すことよ。」と言う。当初は何のことか分からないルイーズだったが、今では、自分の「直感」で人の悩みに向き合うようになっていた。

 

こうして人気占い師になったルイーズ吉田の元に、様々な人がやってくる。8割が恋愛相談だが、ごく稀に変わった相談をする人も。「お父さんとお母さんのどちらを選べば良いですか?」という小学生や「ある人に、もっと私を気にしてほしい」という女子高生、「おしまいが見えてしまう」大学生など、変わった悩みを相談する人々に、ルイーズはどう答えるのか?  

 

読後に、ほっこり優しい気持ちになれるので、疲れた夜にオススメ。文中の「悩みなんて人に話せた時点で半分は解決なんだから。」が印象的でした。誰かと話したくなる一冊です。