ぼんち 元気企業 ■■■都城圏域の元気な企業を徹底取材!仕事内容ほか、ユニークな取り組みや元気な人などを紹介します。

がまこう庵

■取材協力/がまこう庵
代表 蒲生純(36)
都城市吉之元町5186
TEL/0986-33-1226
営業時間/10:00〜17:00(16:30 LO)
定休日/火曜日・第1水曜日

 

今回は、昭和42年創業のがまこう庵の代表 蒲生純さん(36)に話を伺いました。

 

当店は父、宏考(70)が創業し、私で二代目です。宮崎県庁職員だった父が赴任先の椎葉村で、感動するほどのおいしい蕎麦に出会い、「自分もおいしい蕎麦が作りたい」と一念発起。20代で県庁を退職し、資金作りと経営の勉強も兼ねて大阪へ――。都城に戻り、蕎麦の修業をした後、蕎麦作りに適した環境と観光地に近いこの地に創業しました。

 

コンセプトは「自然を生かし、自然に生かされて」。蕎麦は庄内町などの周辺地域で収穫、天日干しした玄蕎麦を。ほかの食材は自家栽培するなど、可能な限り地元のものを使用しています。

 

創業当時、この辺りでの蕎麦の栽培は各家庭で食す程度。農家を回り蕎麦を確保することが大変だったそうです。そこで約10年前に父が農家の方と一緒に「庄内そば組合」を立ち上げました。そのおかげで今では安定してお客様に蕎麦を提供することができています。私が継ぐことを考え、父が土台を作ってくれたのだと思っています。

 

当店では、毎朝、石臼で挽いた自家製粉を手打ちしています。機械で挽くと摩擦熱でせっかくの蕎麦の香りが飛んでしまいます。そこで、蕎麦によって挽き方の調整ができ、風味豊かに仕上がる石臼でじっくり挽くことにこだわっています。

 

蕎麦の良し悪しの見極めから、色、香り、挽き方など、その年の気候により、色んな蕎麦ができるので、新蕎麦の時期の粉挽きは特に悩みますが、そこに蕎麦の奥深さを感じます。

 

提供している蕎麦は2種類。蕎麦の香りが楽しめる打ちたて、茹でたての「生そば」(9割蕎麦)と、南九州ならではの太くぶつぶつと切れる昔ながらの「田舎そば」(10割蕎麦)です。出汁は鰹、昆布、いりこに椎茸がきいた懐かしい味が特徴です。店内では天然酵母と国産小麦のパンや蕎麦の実が入った五穀パンほか、自家製の加工品を販売しています。

 

今後の目標は自分たちが一番おいしいと思っている「庄内そば」を広めること。父から継いだ店を守りながら、よりおいしい蕎麦を提供できるよう、また、蕎麦を使った加工品の開発や販売にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。 (順)

 

 

 

ぼんち 元気企業 「人気の地頭鶏そば」 写真

田舎蕎麦に宮崎ブランドの「みやざき地頭鶏」をトッピングした「地頭鶏そば(945円)」は、出汁との相性が抜群で、宮崎の地のものが2つ併せて楽しめる、と特に観光客を中心に人気の一品だ。使用しているのは褐{愛(山田町)のかわのさんちの地頭鶏。以前からの知人であった川野賢一さんと都城圏域地場産業センターの繋がりで再会。そこで、「地域性を打ち出した新メニューを作りたい」と意気投合し、3年前に考案された。当初、夏は温メニューを休む予定だったが、注文客が多いことや常連客からのリクエストもあり、通年メニューになった。

 

温かいかけ蕎麦とざる蕎麦が味わえる「二味そば(1,050円/写真一番上・左)」や、出汁に根菜などを加え、とろろに少し火を入れてまろやかにしたものを古代米に掛けた「とろめし(840円)」も人気。