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「『苦しんだ分、自分に返ってくる喜びが大きい』 プロボクサー 河野 洋佑選手」

「河野洋佑さん」 写真

河野 洋佑(かわの・ようすけ)(24)

三股町出身、東京在住

三股町立三股西小学校――三股町立三股中学校――宮崎県立都城農業高等学校卒

新日本木村ボクシング所属(東京都中野区)フェザー級(57.15kg)165cm 10戦7勝(3KO)2敗1分 右打ちのボクサーファイター モットーは「初心を忘れない、感謝の気持ちを忘れない」

「夢は世界チャンピオンです」と話すのは三股町出身のプロボクサー、河野洋佑さん。4月19日に後楽園ホールで行われた「第15弾ザ・グレイテスト ボクシング」で自分よりベテランの池ノ内ワタル選手に、判定で勝利した。

 

小・中・高校生とバスケットボール部に所属し、ボクシングを始めたのは中学3年生の部活引退後。「近所に少林寺の道場ができたので、友だちと見学に行ったら楽しそうだったから」と少林寺と一緒に教えていたボクシングに興味を持ち、達磨塾(現、コスモクラブ都城)に入門。

 

高校入学後も、バスケットボール部に所属し、並行してボクシングを3年間続けるというスポーツ漬けの学生時代を送った。「続けられたのは良い先生に巡り合えたおかげです」と、当時、ボクシングを指導してくれた恩師の東條眞生氏、友信氏に感謝しているという。プロを意識したのは高校1年生の時。現在のジムの関係者が道場を訪れた際、ボクシングセンスを見込まれ、「プロになりたければ紹介するよ」と声をかけられた。そして、高校を卒業後、上京。2008年にプロデビューし、昨年、A級ライセンスを取得した

 

現在、鮮魚店のアルバイトで生計を立てながらのジム通い。一日の始まりは日課のロードワークで、朝5時半から1時間ほど走り、8時から夕方まではアルバイト。そして仕事が終わるとジムに直行、というハードな毎日だ。「この前、職場のみんなが試合を見に来てくれたんですよ」とうれしそうに話す。周りの理解と応援も毎日を乗り切る力になっているようだ。

 

ハードなのは練習だけではない。試合前には過酷な減量が待っている。「減量が一番苦しい。普段の体重から8kg落とすんです。でも、苦しんだ分、減量から開放された時の、水やご飯は本当に、本当においしい。当たり前のことに感謝するようになりました」としみじみ。

 

「河野洋佑さん&河野公彦さん」 写真

地元で総合格闘技を続ける兄の公彦さん(32)(写真左)と一緒に

休日のささやかな楽しみは服を買いに行ったり、同郷の友だちと遊ぶこと。上京して6年目だが、やはり、気心知れた同郷の友だちが一番落ち着くという。年に2回ほどの帰省も楽しみのひとつ。地元の友だちと集まったり、久しぶりに味わう母親の手料理を心待ちにしているそうだ。

 

ボクシングの魅力は苦しんだ分、自分に返ってくる喜びが大きいこと。支えてくれる周りの方や、遠くで応援してくれている両親のためにも一戦一戦、しっかりと勝ち続けて更に上を目指してがんばりたい。そして、信頼しているボクシングトレーナの苅谷信行さんに、チャンピオンベルトを巻かせたいです」と力強く締めくくった。(順)