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「高城高校のキャリア教育── 『親が語るしごと・よのなか講座』」

去る11月2日(金)、宮崎県立高城高等学校で1年生と2年生を対象に「親が語るしごと・よのなか講座」が開かれました。

 

「親が語るしごと・よのなか講座」 写真1

これまでも、高城高校は「キャリア教育」に力を入れ、キャリアガイダンス(学校説明会)や職業人の基礎を身に付けてほしいとインターンシップ(職業体験)などを行ってきました。

 

そんななかで、「最近では、子どもが親の働く姿を見る機会が少なくなり、また、親は家庭で仕事の話をすることがほとんどなくなっているのではないか……。親の仕事はどのような内容で、どんな思いで働いているのか、それを知っている生徒は少ないのでは」という櫻木PTA会長の思いをきっかけに、今回の講座が企画されました。

 

「親が語るしごと・よのなか講座」 写真2

「親が語るしごと・よのなか講座」 写真3

「親と同じ世代の人たちから話を聞くことで、生徒たちの職業に対する認識が深まり、進路決定の一助になれば」と、講師を買って出た在校生の保護者は10名。看護師、保育士、自動車整備士、獣医師、JA職員、消防士など様々な職業の方が、それぞれに、実際にその仕事に就いてみなければ分からないこと、どんなことが大変で、どういう時に喜びを感じるのか……など、職業人としての経験を熱弁しました。

 

生徒たちは、10講座のうち関心のある2つの講座を選び、真剣な表情で熱心にメモを取りながら話を聞いていました。

 

受講を終えての感想は、

「保育士は、子どもたちと遊ぶ仕事というイメージを持っていましたが、子どもたちが寝ている間や家に帰ってからもやるべきことがたくさんあり、思っている以上に大変な仕事だと知りました」

「親が語るしごと・よのなか講座」 写真4

「親が語るしごと・よのなか講座」 写真5

「仕事は、難しいことも大変なことも多いけれど、本当に好きであれば乗り越えられるんだなと思いました」

「獣医師は動物のお医者さんというだけでなく、非臨床獣医師といって、私たちの食生活に関係する仕事もあると知りました。今日の話でとても興味をもったので、さらに自分で調べてみたいです」

など、仕事に対する新たな発見があったという声が多数上がりました。普段はなかなか知ることのできない仕事の実情を知り、今後の自分の進路をじっくりと考えるきっかけになったようです

 

また、講師を務めた親を見て、「頑張って仕事をしている姿に尊敬を覚えました」と親への感謝の気持ちを示す生徒もいました。

 

櫻木PTA会長は、今回の講座について、

「親が語るしごと・よのなか講座」 写真6

「生徒たちは、真剣に講座に取り組んでいたようです。自分たちの親が仕事を通じてどのように社会の発展に貢献しているのか、また、社会人はどのようなことが求められるのかが伝わったのではないかと思います。講師をしてくださった保護者の方も、一所懸命にメモを取る生徒たちに感心させられたと話していました。これから先の職業選択の際に、今回の講座を思い出してもらえれば……」

と振りかえっていました。

 

働いている親の生の声を聞き、仕事に対しての高い意識を持つきっかけとなると同時に、日々、懸命に仕事をしている親への感謝の気持ちも生まれる良い機会となったようです。この講座は、今後も続けていく予定とのこと。家庭でも仕事の話で親子の会話が広がることでしょう。(エタン)