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「トレンド&キーワード 〔最新医療編〕 [最終回] レーシック手術のリスクを回避するためには?「レーシック」を知ろう」

■今月の回答者

宮田眼科病院院長 宮田 和典先生

 

 

Q.前回は「レーシック治療」におけるカウンセリングや事前検査の重要性について伺いました。その他、手術までにしておくことはありますか。

 

──コンタクトレンズを装用している方は、手術前の一定期間、外しておく必要があります。それ以外の方は、普段通りの生活で過ごされれば結構です。重要なことは、手術の効果、安全性、危険性を十分に理解し、疑問を残したまま手術を受けないことです。

 

 

Q.手術に入院は必要ですか。

 

──必要ありません。異常がなければその日のうちに帰宅できます。ただ、手術を受けた翌日と3〜4日後に検査と診察を行いますので、遠方にお住まいの方は手術を受ける医療機関の近くに宿泊先を準備したほうがよいでしょう。

 

 

Q.通院は必要ですか。

 

──必要です。手術の翌日、3〜4日後、一週間後、二週間後、一ヶ月後、三ヶ月後、六ヶ月後、一年後といった形で定期的に検査と診察を行います。手術後に起こる後遺症や近視の戻りなどの原因の一つには、手術後の点眼薬の使い方が不適切であったり、定期通院をきちんと受けていないために発見が遅れてしまったことが挙げられます。転居などで通院が難しくなった場合は、手術を受けた医療機関に相談し、近医を紹介してもらうようにしましょう。

 

 

Q.元通りになるには何日くらいかかりますか。また、自動車の運転や化粧はいつからできるようになりますか。

 

──個人差がありますが、手術後一週間からおおむね一ヶ月後で角膜は元の状態に戻ります。自動車の運転や化粧・洗顔は角膜上皮が再生すれば可能で、早い方だと翌日には運転を再開される方もいます。ただし、手術後すぐは明暗の認識がやや低下していることがありますので、夜間の運転は慎重になさった方がよいでしょう。スポーツも同様ですが、手術後早期に強い圧力が眼球にかかると、異常を生じることがありますので注意が必要です。

 

 

Q.手術で改善した視力は一生変わりませんか。

 

──手術が実際に行われるようになって10年以上経ちますが、手術前の近視に戻ったとの報告例はありません。近視の強い方は多少戻ることがありますが、再手術等で改善することが可能です。しかし老眼の可能性はあります。手術で近視を矯正した人が老眼になった場合、老眼鏡か近用眼鏡が必要になります。

 

 

Q.手術を行う医療機関を選ぶ基準を教えて下さい。

 

──近視矯正手術のみを行っている専門医院はお勧めできません。一般眼科診療、白内障や緑内障などの手術実績のある施設が良いでしょう。もちろん、近視矯正手術の豊富な経験を持っている施設を選ぶことも大切です。適切な施設で適切な手術を受け、快適な生活を手に入れて下さい。

 

 

※レーシックについての特集は今回が最終回です。