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ヤスが行く職業体験記

松山牧場編

みなさんお肉は好きですか? 今回の職業体験は、広く名前が知られるようになった都城牛を肥育している『松山牧場』に行ってきました! ご協力いただいたのは、同牧場の松山さんです。牧場の仕事はさまざまありますが、今回私は毎日朝夕2回行う餌やりと掃除を夕方のみ体験させてもらいました。


まず最初は、牛にとっての生命線である、水飲み場の掃除です。数頭ごとに一つずつ容器が設置してあるのですが、よだれや飼料、フンなどで汚れているので、一つひとつ綺麗にしていきます。のんびりとやっている暇はありません。テキパキ作業をしていかなければなりませんが、ここで焦ってしまうと汚れた水が自分にかかったりして、なかなか大変な作業でした。ここまででまだ30分ほど、もう手足に疲労が……。無事に最後まで体験できるか心配になってきました。

水飲み場の掃除が終わると、次は大きな餌の入った籠を押しながら牛舎の中をグルグル回って餌をやっていきます。牛というのはあれだけ大きな体にもかかわらず、食べ物には敏感。ただ餌をあげればいいわけではないのです。子牛には牧場に慣れさせるための餌を、それから成長過程に合わせて種類や量などを変えていかなければいけません。餌やりは牛が成長していく上で一番大事な作業ということもあり、一頭ごとに細やかな調整が必要なんです。この作業だけでも2時間ほどかかりました。途中、餌を落としてしまったり、分量をうまく量れなかったりして、松山さんに叱られながらも作業終了。


最後は牛舎全体の掃除です。餌やりの時に落ちた藁などがあるので、それを綺麗に掃いていきます。「次の日に来て牛舎が綺麗だとモチベーションが上がるからね」と松山さん。だから、この掃除はかなり細かくやっているそうです。ここまでトータル4時間ほどの作業で、腕も足も相当疲労が溜まっていて、かなり大変な作業でした。しかし終わってから綺麗になった牛舎を見渡すと気持ちがよく、最初に『松山牧場』に来た時に「綺麗な牛舎だな」と思ったのですが、この細やかな掃除が、その理由だったのですね。

今回体験した作業は掃除と餌やりのみでしたが、松山さんはこれらの作業以外に、牛のデータチェック・管理や体調の悪い牛への投薬などもこなしており、すべてが終わるのが、時には深夜の1~2時にもなるのだそうです。それが毎日続くにもかかわらず、松山さんは作業一つひとつに手を抜かず真剣でした。生き物相手の仕事に休みはなく、欠かさず世話をしなければなりません。「なぜ、そこまで頑張れるのですか?」と聞いてみたところ、「牛はどれだけ向き合ったか、どれだけ時間をかけたかで、できが変わる。よい牛を育て、牛を買う人、食べる人に喜んでもらえるなら毎日の作業もキツイとは思いません」と話してくれました。

日々の頑張りが結果を生み、それがやりがいにつながっていく。松山さんの話を聞いてこのサイクルが大事なのだと思いました。私にとってのモチベーションはお客様、そして読者のみなさんに喜んでもらうこと。松山さんを見習ってよい仕事ができるサイクルを作り、モチベーションを保っていきたいと思います!


今回ご協力いただいたみなさん、ありがとうございました!

■取材協力/松山牧場・松山龍二さん

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