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No.9 作り手のぬくもりが 伝わる焼酎を

柳田酒造合名会社 五代目 柳田 正さん


No.9 柳田酒造合名会社 五代目 柳田 正さん

人生の節目には必ず「酒」がある。そんな、人生に寄り添える仕事ができて、一番楽しんでいるのは私ですね――こう話すのは、柳田酒造合名会社(早鈴町/TEL:25-3230)の五代目、柳田正さん

柳田さんは、工学部出身で、東京で5年間ほどエンジニアをしていた。そんなある日、父親の勲さんが体を壊したと連絡が入る。

「私が幼い頃は千本桜という芋焼酎も作っていました。しかし、今後のことを考えた父は『個人の企業が生き 残っていくためには大手とは違う土俵で勝負しなければ』と麦焼酎一本でいくことを決めました。断腸の思いだったと思います。都城で一番古い暖簾を何として も守り続けようとする父の姿をずっと見てきたので、継ぐことを決意しました。」と、29歳の時に戻ってきた。

慣れない焼酎づくりに励む柳田さんの心の支えになったのが、同じ時期に宮崎へ帰ってきた同年代の若い蔵元たち。「農大出身の彼らの話は、新鮮で勉強になります。僕も、工学部で学んだことで焼酎づくりに活かせることがあれば、何でも話しています。気軽に相談し、お互いの知識をシェアして、これまで高めあってきました。僕は本当に人との出会いに恵まれているなぁと思いますね。」と友でありライバルであるという他の蔵元の話に目を細める。

平成19年、柳田さんに更なる転機が訪れる。約20年前に生産されなくなっていた県在来種の麦「ミヤザキハダカ」との出会いだ。一度も品種改良されていない幻の麦とも言われていた。「初めは、生産されなくなった麦の種を手に入れることさえ難しい状況でした。しかし、偶然の出会いから種を分けてもらい、助けを借りながら、初めての麦づくりに挑戦したんです。」そんな柳田さんの熱い想いが通じ、ミヤザキハダカは復活。まさに、夢の結晶とも言えるオール宮崎産の焼酎が完成した。できあがった焼酎は、柳田さんも驚くほどの個性的な酒質で、独特な香りが心地よい。現在は、高原町のはなどう地区でミヤザキハダカを生産、その麦を使った焼酎を限定販売している。

「作り手のぬくもりが伝わる酒を届けたいという思いから、ラベルに自分たちの思いを書いています。」と見せてくれたのは、瓶の背の部分。目を通すと、その焼酎に込めた柳田さんのメッセージが書かれてあった。例えば、平成21年に娘の桜子さんが誕生した際、限定販売した青鹿毛には、桜子さんへの思いとともに、「親馬鹿焼酎をどうぞご堪能ください」の一言。こんな温かみが伝わる焼酎だからこそ、全国に根強いファンがいるのも納得できる。この夏限定販売されている「夏の赤鹿毛」のラベルも、焼酎とは思えぬ可愛さ。まろやかな口当たりで、女性にも人気が出ている。

「いつか、芋焼酎千年桜を復活させたい。これが僕の夢です。」と大きく笑う柳田さん。話を伺うだけで元気をもらった。柳田さんの熱い思いとおおらかな人柄が焼酎にも表れているようだ。(エタン)



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