今月の顔

No.11 何をするにも楽しく!が大前提

ひがしのもりファーム
フードコーディネーター ジュニア野菜ソムリエ
東森 薫さん


No.11 ひがしのもりファーム フードコーディネーター ジュニア野菜ソムリエ 東森 薫さん

「私はまだまだ『職業/農業(手伝い)』です。新規就農2年目。始めたばかりで、何もかもが新鮮です」――と話すのは、ひがしのもりファーム(太郎坊町・TEL:0986-38-0866)の東森薫さん

東森さんは福岡県出身、以前はキャビンアテンダントの仕事をしていた。「子どもの頃から飛行機が好きで、ずっとキャビンアテンダントに憧れていました。日本全国をフライトし見聞を広め、たくさんの人と出会えた仕事は、私にとって天職でした」と振り返る。その後、航空整備士のご主人と結婚し退職。主婦として、子育てに奔走してきた。

そんな東森さんの就農のきっかけは、ご主人の「農業をしたい」の一言。結婚当初から、ゆくゆくはのんびりと自給自足のスローライフを送りたいと二人で話してはいたものの、ご主人の突然の発言に、とにかく驚いた。「子どもが小さかったこともあり、なかなか決断できませんでした。しかし、主人の決意は固く、最後は根負けしましたね」と笑う。

こうして、ご主人の実家がある都城へ――。当初は新しい生活に慣れようと、積極的に色んな人と関わり、自分も含めた家族の環境づくりに努めた。さらに、違った形で農業に協力できればとフードコーディネーターと野菜ソムリエの資格を取得。農業は、ご主人を手伝う程度だったが、野菜が種から実へと成長していく様子に、すっかり魅了される。

「今年の4月から、私も本格的に農業をやっています。まだまだ、義父母や主人に教えてもらいながらの段階 ですが、とにかく楽しい。出荷時は、我が子を嫁に出す気分ですね。ただ、楽しいことばかりではなく、天候に左右されるなど計画通りに進まないことも多く、 今まで知らなかった農家の方たちの苦労を知りました。それからは、スーパーに並ぶ野菜一つを見ても、何人の人が関わって、どれくらいの時間を要したんだろう……とじっくり見てしまいます。野菜を大切に食べるようになりました」と充実されている様子。

ひがしのもりファーム「ひろっさんの野菜」は、この夏、甘くてほくほくとした「栗かぼちゃ」や苦くない「子どもピーマン」を出荷。「本当に栗のように甘くて美味しい」「ピーマン嫌いでも食べられた」と嬉しい声を頂いた。また、イタリア野菜の4種のナスを試作。都城の土地に合うことも分かり、来年は本格的に作ることを決めた。現在は、多品種少量生産を目指し、多くの秋野菜を育てている。

「元気に農業をしていたら、元気な野菜ができ、それを食べたみんなが元気になると思います。目指すところは、そんな『元気な野菜、有機栽培・減農薬、そして季節を感じる野菜』ですね。そして、いずれは、マルシェのような直売所ができれば。野菜についていろん なことを発信できる野菜の案内人になりたい」と今後の目標を熱く語る。

「どんなにきつくても上を向いて笑顔でいよう」という東森さんが作る元気な野菜(道の駅都城で購入可能)を、ぜひ食べてみて。(エタン)



休日急患