山田町から御池方面に入っていく道路沿いに、一風変わったカカシのようなものがありました。パッと見、西郷どんのように見えましたが、何だったのでしょう?
御池の道中に西郷どん…?
…なぜ薩摩藩のヒーローがこんな所に?
とりあえず、御池方面に車を走らせてみることに。
… 5 分 後 …
「 ! ? 」
「…西郷どん!?」
この、いかにも九州男児的な外観…。
四角い輪郭に、浴衣姿と来れば、自然と西郷どんが頭に浮かぶ。
急いで車を停め、彼の元へと駆け寄るガノ。
「…ゴルゴ!?」
素敵すぎる眉毛ともみあげ、しかも『交通安全』と書かれた浴衣を羽織り、その胸元からは6つの傷跡(弾痕?)が顔を覗かせている…。
どうみても伝説のスナイパー (御当地バージョン)にしか見えない…。
さしずめ、ゴルゴ+西郷どんで『ゴル郷どん』と言ったところか。
この人形、よく見ると体はプロパンガスのボンベを利用して作られている。
恐らくは、この辺りは周りが田んぼばかりで、信号も無くスピードが出やすい道路になっているので、交通安全に注意するよう、作者が人形に願いを込めて設置したものと思われる。
噂の人形を発見できたので用は済んだ。去りゆく私に、無表情で渋い顔のゴル郷どんは、
「速度を落として、安全運転をするでゴワスよ!」
…と訴えかけているようだ。
久しぶりに御池付近まで来たので、少し羽を伸ばしてみようと、更に車を進める事にした。
約1分程走っただろうか、その時である!!
(謎の声)
「ねぇ、君、ちゃんと安全運転してる!? 」
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「えっ、えぇーーッ!!」
「ゴッ、ゴル郷どん!?」
いや、先程より顔つきがソフトタッチになっているし、なぜかヒゲらしきものまで生えてらっしゃる。しかも、胸の傷は跡形もなく消え去っているし……だが、渋い顔つきや雰囲気、そして着ている浴衣も同じだ。
……とすると、兄弟か!?
恐らく老朽化の具合から、先程の人形の兄と推測する。
(人形)「制限速度、守ってるかぁ?」
(ガノ)「守ってますよぉ〜」
(人形)「まさか、携帯電話とかしながら運転してないよなぁ?」
(ガノ)「してませんって! そもそも、ココ圏外じゃないですか!(汗)」
俺の頭の中で、こういう会話が交わされていった…。
運転には細心の注意を払うよう、再確認を行う人形(兄)。それほどまでに、この道路は危険が潜んでいるのだろう。
それにしても、まさか兄弟で交通安全を見守っているとは思わなかった。意外な形でスクープを入手でき、安全運転を意識しながらも、若干浮かれ気分で車を走らせるガノであった。
…と、その時、前方に見えるあの姿は……
マサカの3兄弟なのか!?
はやる気持ちを抑え、人形の前に駆け寄るガノ!!
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「………誰!?(汗)」
…確かに同じ浴衣を着ているが、さすがに先の2人とは明らかに顔立ち…
いや、国籍すら違う気がする。
だが、ここは流れ的に兄弟じゃないと困る…。
「今、浮かれながら走ってたよね。いるんだよねぇ〜、そういう危ない人がさぁ〜。」
「おいどんは、そんな君に怒ってるんだゾ!!」
……とでも言いたげな表情である。
(ガノ)「…以降、気を付けます…。」
風が吹く日も、雨が降る日も、体の風化など気にもせず、御池までの交通安全を見守る三兄弟であった…。
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