■今月の回答者
宮田眼科病院院長 宮田 和典先生
Q.レーシック手術とはどういったものですか?
──現在、国内で最も頻繁に行われている屈折矯正手術です。マイクロケラトームという器械を用いて、角膜の表面を一部残して薄くめくり、フラップと呼ばれるフタのようなものを作ります。このフラップの下をエキシマレーザー照射し、角膜を削って矯正します。その後、フタを元に戻す方法です。また、最近では高次収差(※)に対応したウェーブフロントレーシックという最新式の術式もあります。これは、通常のレーシックよりも個人の状態に応じられるオーダーメイドの治療と言えます。
Q.誰でも手術は受けられますか?
──基本的に、屈折が安定する20歳以上の近視・遠視・乱視の方で、その他に目の病気が無い方であれば受けられます。事前の適応検査によって判断しますが、相談を要する方もいます(別表)。いずれの場合も、手術の前に適応検査を行い、その結果をもとに眼科専門医が手術の可否を判断いたします。
Q.すぐに視力がよくなりますか?
──手術直後から視力はある程度まではすぐに上がります。個人差はありますが、翌日の朝にはよく見えるようになります。
Q.手術は痛みますか?
──手術中は、点眼で麻酔をかけているので痛みません。
Q.入院は必要ですか?
──入院の必要はありません。手術を受けたらその日に自宅へ帰れます。
Q.必ず成功しますか?
──手術の成功率は非常に高いですが、稀に合併症が起こる場合もあります。万一、合併症が起きた場合には、適切な処置や投薬等を行います。だからこそ、術後のフォローアップをきちんと行うことが重要です。
Q.手術を受けるには?
──まずは専門医に相談をして、検査を受けてみてください。そしてメリットもデメリットも、しっかりと理解することが大切です。
(次回では、「レーシック手術」をさらに掘り下げていきます。ぜひご覧ください)
■相談を要する人 ◇未成年の方 ◇妊娠中、授乳中の方(手術が妊娠に影響するという報告はありませんが、不測の事態を避けるため、授乳が終わるまでご遠慮下さい) ◇全身疾患のある方(糖尿病、全身性血管炎などにかかっている方、重症のケロイド体質の方は、手術後の角膜の回復が予測できないために受けられません) ◇白内障、緑内障、網膜剥離など目の病気がある方 ◇お薬を内服中の方(ステロイド、ホルモン剤、向精神薬など) |