彼の使命は、組織や会社、工場、お店などの疑問や秘密を調査し、明かされた情報を誌面にて暴くこと――。
今回のターゲットは謎の戦闘集団『高城プロレス』。
彼らの練習場を訪れたアバキングは、代表の末永さんへ質問による口撃を行い、数々の秘密を聞き出したのであった―――。
どんなプロレス団体なのか
暴きます!
やぁ、約1年ぶりに登場のアバキングだ!
前回登場時に、行き交う人々から『そんなダサい格好していて恥ずかしくないのか!』と言われ、長い間立ち直れずにいたんだが(汗)、今回紹介する『高城プロレス』のレスラーを見て、私は完全に自信を取り戻し、再びアバキングとしての活動を再開したのだ!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
『ふるさとは俺達が盛り上げる! 真剣笑負』―――というキャッチフレーズの付いた高城プロレスは、高城町商工会青年部(以下、青年部)が中心となって運営している団体。
『真剣笑負』という言葉の通り、『真剣』な戦いの中にも『笑い』の要素をふんだんに盛り込むことで、会場を爆笑の渦へと巻き込む―――そんなシナリオ通り……いや、エンターテインメント性に溢れた試合を展開している!(汗)
その高城プロレスの代表を務めるのは青年部部長の末永真人さん(35)。
同団体の代表は、代々青年部部長が就任しており、末永さんは3代目に当たる。
同役職は2年周期で交代となるそうで、現在3代目という事は、高城プロレスは比較的新しい団体であるようだ。
それでは、高城プロレスはどのような経緯で設立されたのだろうか?
―――遡ること2007年、高城町で毎年春に行われる『さくらフェスタ高城』のイベントを企画していた青年部は、自分達で会場を盛り上げる出し物ができないかと考えていた。
そんな時、約30年程前に高城町に存在していた『ある団体』を復活させ、それを青年部がやってみてはどうだろうという意見が飛び出した。
そう、その団体こそが『高城プロレス』なのである!
かくして、青年部による『高城プロレス復活』の一大プロジェクトは始まった!
レスラーに扮するのは、もちろん青年部のメンバー。そんな彼らは、毎日仕事に精を出す、働き盛りの男達……当然、プロレスの経験など有るはずもない。そこで、仕事を終え夜になってから皆で集まり、筋力トレーニングや、技・受け身の練習に励んでいった。
ちなみに、練習する上でも、試合をする上でも欠かせないリングは、設計や組み立てまで全てが手作りであるという!
「結構、いい作りのリングでしょ! これは青年部ならではの恩恵とでも言いますか、様々な仕事に就いているメンバーが集まっているので、その技術や知識を持ち寄って仕上げた力作なんですよ!」と語る末永さん。
そんな努力が報われ、『さくらフェスタ高城』での初興行は大成功に終わり、その面白さに対する反響も大きく、以降も毎年同イベントに登場する人気団体へとなった!
彼らの評判は既に県内各地でも話題となっており、現在では年に5回程の興行を行うまでに成長しているのだ!
レスラーの正体、
暴きます!
高城プロレスには現在、15名程のメンバーが在籍している。
しかし、今年の『第27回さくらフェスタ高城のポスター』をご覧になった方は、メンバーの人数に違和感を感じはしないだろうか!?
そう、このポスターには、レスラーや関係者などがズラリと登場しているのだが、その人数を数えると、『34人』は存在している!
これは一体、どういうことなのか―――
(末永)「実は、1人で2役・3役をこなしているんです!」
そう、高城プロレスのレスラーは、覆面や被り物、ペイントをしている者がとても多い!
つまり、正体不明というメリットを利用し、同一人物が複数のレスラーを演じているというわけなのだ!
では、ここで高城プロレスに在籍するレスラーを、一部ではあるが紹介しよう!
選手名鑑へ
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レスラーの強さ、
暴きます!
レスラーの面々は青年部というだけあって、平均年齢も32歳位と若く、肉体的にも今がピークの者達が揃っている。体躯も非常にガッチリしていて、かなり強そうだ!
その一方で、上記で紹介したようなコミカルなキャラクターを見ると、どうも強そうには見えない……(汗)
そこで、彼らの試合の流れを見ることで、
真の強さを検証してみたい!
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レスラーの不正、
暴きます!
高城プロレスのとある試合にて、『レスラーがレフェリーに賄賂を渡す』という信じられない事件が発生―――しかし、このような不正行為が起こったにも関わらず、会場は大爆笑!!
そう、もうお分かりの通り、これも完全なる演出!
高城プロレスでは、このような面白い演出や、先の検証試合のような展開が日常茶飯事のように行われているのだ(笑)。
これまでにあったおもしろ演出の一部を紹介すると―――
◆レスラーが次に起こす行動や試合展開を、実況が先に言ってしまう!!
◆試合中に次の行動を忘れてしまい、リング上で台本を確認するレスラー!!
◆レフェリーが試合中に電話に出て、カウント放棄!!
―――などなど(笑)。
この笑いの要素は高城プロレスの生命線であり、末永さんも「我々は、エンターテインメント重視の団体ですので、どうやったら観客の皆さんがウケてくれるか―――そればかりを考えていますね。試合中に笑いの数が多かったら、試合後はとても気持ち良いですし、逆に笑いが少なかったり、スベった時は、とても悲しくなりますよ(笑)」と語るほどだ!
観戦方法、
暴きます!
それでは、高城プロレスは、一体どこに行ったら観戦できるのか―――
基本的には毎年高城町で行われる『さくらフェスタ高城(3月)』と、『東目街道秋まつり(10月)』にてイベント興行が予定されている。
また、直近では5月に『道の駅松山』という斬新な場所にて興行も予定されているぞ!
その他にも、イベント等の主催者側からオファーがあれば出演するとの事で、その際は本誌でも告知をするので要チェックだ!
アバキングが見た
高城プロレスとは……
一般的にプロレスのマスクマンといえば、タイガーマスクや獣神サンダーライガーなど、身軽なレスラーが多く、試合ではその特性を活かし、『華麗な技の応酬』となり、会場には盛大な歓声が飛び交う!
一方、我らが高城プロレスのマスクマン達の場合、『卑劣な技の応酬』となり、会場には盛大な笑い声が飛び交う!
「同じプロレスでも、こうまで違うのか!!」と言いたくなるが、観客を魅了し、会場をヒートアップさせるという点においては違いなど一切無い!
故郷を盛り上げるために、これからの時代を担う若者達が立ち上がり、レスラーに扮して戦う姿は、見た目は抜きにしても、凄まじく格好いい!
「故郷を盛り上げるため、そして皆の元気と笑顔のために、我々は体の続く限り活動していきたいと思っています! これからも『技』と『笑い』に磨きのかかったレスリングを見せられるよう精進して参ります!」―――このようにインタビューの最後を締めくくった末永さんの力強い言葉からも、夢を実現させるための思いがヒシヒシと伝わってきた!
私、アバキングも、形は違えど、地域活性化の為に秘密を暴くマスクマンとして、高城プロレスを応援していくぞ!
そして、いつの日か高城プロレスの試合に、私も参戦してみたいものだ! その時の対戦相手は、カメラ目線が素敵な謎のレスラーでヨロシク!!(笑)