読者から寄せられた『噂』をもとに、調査隊長・ガノが真相解明!
今回は『金色の豚』に関する噂を調査!
●山田町に金色の豚がいるという噂は本当なの!? しかも美味しいと聞きましたが…。 ぜひ調査して下さい。(メイクアップ/32歳) |
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おいおいっ! 金色のボディを持った豚だって!?
そんな神秘的な豚が山田町にいるって本当なのか!?
「金色の豚って、やっぱり全身が眩いばかりに神々しく光り輝いているんだろうか?」
「まさか、金髪に染めたヤンチャな豚ってわけじゃないよな…。」
──色々な想像と期待が膨らむ中、『金色の豚』『山田町』というキーワードをもとに調査を始めると、ある一軒の会社が浮かび上がってきた。
その名は、山田町中霧島にある『高橋畜産』。
しかし、住所を調べ、地図に照らし合わせてみるも、周りには建物や目印らしきものが全く見当たらない。果たして無事に辿り着くことが出来るのだろうか…。
一抹の不安を抱えながら、その地へ向かってみると……
「ぬおっ!? 前方に見えるあの看板は!」
場所をナビゲートしてくれる看板を発見した!!
しかも、看板にはシェフの格好をした豚が登場してるが、その姿はどうみても金色っぽい!
期待感は最高潮に高まる!!
──道標通りに進むこと数分、人目を避けるかのような場所でポツンと営む『高橋畜産』の姿が目の前に現れた。
ここ『有限会社 高橋畜産』は、代表取締役の高橋彰さん・弘子さん夫妻を中心に、家族で経営されており、豚の生産から加工、販売まで行っている。
(ガノ)「まずは、真偽を確かめたいのですが、金色の豚はこちらにいるのでしょうか?」
(弘子さん)「ええ、いますよ」
(ガノ)「ちなみに、私は金色の豚って初めて聞いたのですが、どんな品種なのでしょうか?」
(弘子さん)「これは、一般的に『DB豚』と呼ばれる品種で、父・バークシャ種(黒豚)と母・デュロック種(赤茶豚)を掛け合わせる事で出来るんです。
その生まれた子豚の姿が、日光が当たると金色に輝いて見えたので『金豚』と名付けたんです。」
(彰さん)「実は約3年前迄は、10数年に渡って黒豚を飼育していたんです。ですが、折角作るのであれば『美味しいものを作りたい!』という気持ちを持っており、かねてよりDB豚に注目していたんです。
というのも、『黒豚』は美味しいけれど、製品として出荷できるまでに約9ヶ月の飼育期間が必要で、飼育期間が長くなると、その分成長してしまいますので、どうしても肉質が堅くなってしまうんです。
これに対し、一般的な『赤豚』は、6ヶ月程の飼育で製品化できるので、肉質は柔らかいのですが、味では黒豚に軍配があがります。
これら2つの品種の長所を備えているのが、私達の取り扱う『金豚』で、7ヶ月程の飼育で製品化できる為、『柔らかくて美味しい』肉が出来上がるのです。」
(弘子さん)「この金豚をさらに美味しくするために、私達は独自の飼育法を実践しているんです。
まず、豚に与える餌は、挽きたてのトウモロコシに、釧路の高品質魚粉を配合したものを与えています。
また私達の豚舎では、一般的な飼育部屋よりも、広々と設計されています。このように、ゆったりとした環境で育てる事で、豚にストレスを与えない飼育が可能となり、成長を促す効果にも繋がっているのです。ちなみにこの豚舎は、全て主人の手作りなんですよ。
当社の飼育方法は、人間である私達が、豚の気持ちになって、『このように飼育してもらったら嬉しいなぁ』と思いつくものを取り入れ、従来の飼育法より改良し続けているのです。」
ここまで丹念に飼育され、製品化された金豚は、とても美味しいと口コミで広がり、全国各地より注文が殺到している状態である。また、その多くがリピーターでもあり、「一度食べたら他の肉は食べられない!」「豚肉は嫌いなのに金豚は食べられた!」と絶賛する声が後を絶たない。
しかし、これだけ話題性もあり、全国から注文が殺到している金豚であるが、実のところ、その存在は都城では余り知られておらず、全体の注文の内、8割が県外に発送されているそうだ。
(彰さん)「金豚を使って儲けようとは全く思っておらず、ただ、本当に美味しいものが作りたいだけなので、これといったPRはしていないんです。
また、金豚の製品を当店以外で購入できるのは、今のところエムズガーデンさんに置いてある生ハムのみで、スーパー等には全く置いてありませんので、金豚の情報を得たり、目にしたりする機会というのは、少ないかもしれません。それに、当店に買いに来ようにも、人目に付きにくい場所にありますからね(笑)。」
──金豚に関する一通りの話を聞いたところで、いよいよ本日の主役の姿を拝見することに!!
彰さんに案内され、歩くこと数分、目の前に白い大きな豚舎が現れた。
そしていよいよご対面。
その姿とは──────
「ブヒーーーーーッ!!」
「なっ、なんという愛くるしさッ!!」
全体的に金色の毛並みをしており、所々に黒豚の名残でもある黒い斑模様が付いている。
それにしても、金色の体をした子豚が、これほどまで可愛いとは思いもよらなかった。その可愛い金豚達が、広く設計された飼育部屋で、楽しく元気そうに走り回っている。
──なるほど、これはストレス無く、健康に育つのは一目瞭然だな!
金豚との対面を終えた事で取材も一通り終了。
豚舎からお店に戻り、帰路に就く準備をするガノ。
すると、私の目の前に弘子さんが現れ、一言──
(弘子さん)「これなら食べられるでしょ♪」
──そう言うと、『金豚ハンバーグ』『金豚ソーセージ』『金豚生ハム』をお土産に用意して下さっていたのだ!
それは豚舎に向かう前の出来事─────
豚肉の話題が『美味しさ』や『柔らかさ』、『臭み』等、食に関する部分に及んだ時、無念にも私はその会話に食い入ることが出来なかったのである…。
(ガノ)「正直に告白しますと、じっ、実は私……」
(ガノ)「豚肉が苦手なんです……(汗)」
(弘子さん)「……!? はぁ〜、豚肉嫌いなのに、金豚の取材に来たの……」
(ガノ)「うっ!!……申し訳ございません………(汗)」
──その夜は当然の如く、頂いた金豚セットが夕食にズラリと並んでいた…。
こんなに豚肉が並ぶ食卓は人生初めてだよ…。
……いただきます……
!?
「ぬぅおおおおっ、なんじゃこりゃーーー!
こっ、これが豚肉なのかーーーッ!!」
いやいや、これとんでもなく美味しいぞッ!
「マジでッ!?」
有限会社高橋畜産
〒889-4602 都城市山田町中霧島4184-1 TEL&FAX/0986-64-0231