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特集「偉業の裏に── 五十市中学校男子卓球部」

五十市中学校(都城市)男子卓球部員一同

斉藤監督(左上)と勝利を掴み取り続ける部員一同。

3月24日、WBCで侍ジャパンが見事2連覇を達成し、日本中が興奮の坩堝と化した。

 

前回の優勝から3年経ち、メンバーや監督も異なる中で同じ結果を得たわけであるが、団体競技とは、たった一人がミスをしたり、コンディションが悪かったりするだけでも試合の流れを大きく左右する事もある。それだけに、優勝はもとより、連覇となると、その難しさは格段に増す。

 

このような前置きをしたのは他でもない──実は、我らが都城において『団体競技で脅威の3連覇』を達成した部活が存在するという情報を入手したのだ。

 

それは、五十市中学校の男子卓球部である。

 

毎年11月に行われる『宮崎県秋季大会卓球男子』で3年連続優勝を達成しており、なおかつ『全九州中学生卓球大会宮崎予選』においても3年連続優勝と、2つの大会で3連覇の偉業を達成しているのである。

男子卓球部 その強さの秘密は……

 

では、『この強さの秘密はどこにあるのだろうか?』

 

 

優勝した種目は団体戦で、試合はダブルスを間に挟む5回戦で行われる。

 

試合に出場するにはメンバーが6人必要なのだが、実は五十市中男子卓球部には、部員が全部で8人()しかいない。要するに少数精鋭集団なのである。

 

元々素質のあった部員のみを集めたのかというと、そうでもなく、4人は未経験からスタートしている。

 

この卓球部を率いるのは就任4年目を迎える斉藤克彦監督。

 

そう、同氏は就任以降、あらゆるタイトルを勝ち取っているという事になるのだ。

 

この時点で薄らと強さの秘密が見えてきた気がする。

気力が無くなると執着心が無くなる

 

強いところは、他とは違う『何か』を持っている。

 

 

そこで、特別な練習法などがあるのかを聞いてみると、斉藤監督は次のように語る。

 

「──『気力』が無くなると、勝負への『執着心』が無くなります。その気力を養う為には『体力』が重要になってきますので、ランニングや縄跳びを使ったトレーニングを最重要視しています。

 

また『技術』の面では、同じ相手と練習するのではなく、常に相手を変えるよう徹底しています。そうすることで、他人が持つ良いところを沢山学び取らせるようにしています。

 

ドライブショット等のスキル修得に関しては、満遍なく教えるのではなく、1つのスキルをマスターするまで集中的に練習させています。」

 

監督との会話で、『気力の充実』という言葉が挙がったが、その後も話を進めていくと、どうやら生徒達を突き動かしている力──つまり強さの秘密はここにあるのではないかと感じた。

 

というのも、元来、五十市中の卓球部は強豪であり、なおかつ、サッカーやバスケットなど、他の部活にも『強豪』と呼ばれている所が多く存在する。

 

それにより、部員達は『先輩方の残した成績以上の結果を残したい』、そして『他の部には絶対に負けられない』──という強い気持ちを持ち続けているのだ。

 

また3連覇を果たした大きな要因として、監督は『保護者の理解と支援』を挙げている。

 

「部員達は学校生活の傍ら、限られた時間で練習をしなければならないわけですが、保護者の方々には、子供達に勝たせて欲しいという強い気持ちがあり、その為のサポートを色々として下さるので、非常に練習に打ち込みやすい環境にあります。勝つ為には練習で得た自信や経験が必要不可欠。それが本番で活かされ、勝利へと繋がりますからね。」

5月4日〜5日には熊本県にて九州大会が開催され、そこに五十市中男子卓球部は出場する。九州全域の大会となると、レベルも一気に上がるが、それでも過去2回、3位に入賞した経験がある。

 

これまで培った強い気力と経験を基に、ぜひ九州大会での快挙を成し遂げて欲しい。(ガノ)

※3連覇達成当時は8人だが、新入部員加入に伴い写真撮影時は9人。