大学周辺では、新入学の学生の姿も目立ち始め「いよいよ大学が開校するのだ」という感じになってきた。
ただ、今年の開校では、「環境園芸学部」と共に2009年から新設される予定であった「人間発達学部」の設置認可申請を取り下げた為、1学部1学科のみの開校となり、当初予定していた学生の数が半減し、寂しさは否めない。
先月号で対談した長峯誠市長も「実際に市民の皆さんが『学生が増えたなあ』と実感するのは、環境園芸学部の1、2年生に新学部の1年生が加わる来年以降になると思います。」と話していた。
街にとって大学が有るのと無いのとでは、やはり違う。その分何かと注目も集まる。
そこで南九州大学入試広報課黒木係長に都城キャンパスの現状、今後のことについてお話を伺った。
──早速ですが、環境園芸学部・環境園芸学科の1学部での開校となりましたが、入学生は何名ですか。
黒木/定員の130名です。
──入学生の県内、県外の比率は、どうですか。
黒木/県内が3割、県外は7割です。今年はまだ、都城市、三股町の入学生は少数ですが、実際に大学が開校し、新学部も設置されると、年々地元の学生の割合も高まっていくことになると思います。
──環境園芸学部は、新設の学部ですが、その母体になった学部は、高鍋キャンパスで40年の歴史があり、西日本の私学でも特色のある学部のため、現時点で県外の学生の割合が高いのは頷けます。また昨年12月に「人間発達学部」の設置認可申請を取り下げましたが、どのような経緯でそうなったのですか。
黒木/この「人間発達学部」は、保育士・幼稚園教諭、学校教諭、認定心理士を育成することを目的にした学部で、一般の教育学部に私学ならではの独自のものをプラスした意欲的な学部にしていきたいと考え申請し、殆どの審査員のご理解は頂いたようなのですが、全員一致が原則で、そこには至らないと判断し、やむなく申請を取り下げた次第です。
──保育士、教諭を育成する学部は、都城の高校生にアンケートを取ったところ、5人に1人が希望した学部であったと先月号で取材した長峯市長が仰っていましたが、今後は、どのようなご計画ですか。
黒木/現在、新学部設置準備委員会を立ち上げ、前回の申請内容を学部名も含め精査して、今度は認可されるよう万全な形で5月末に申請する予定です。10月末には認可を得たいと考えています。
──都城キャンパスは、新入学生だけになりますが、住居探しなどの大学生活のフォローは、どのような形で。
黒木/アパート探し等は、大学生協がサポートします。また1人暮らし、大学生活については、他のキャンパスの先輩学生がボランティアで都城に来て、色々と後輩にアドバイスをしてくれるようです。
──都城キャンパスに入学する学生達に一言お願いします。
黒木/新しく開校した大学で、校風やサークル、地域とのコミュニケーション等、一から新しく築いていけることに気概を持って、積極的に大学生活を楽しんで欲しいと思います。
──どのような大学を目指していく方針ですか。
黒木/地域に密着した、開かれた大学を目指していますので、公開講座、ワークショップ、インターンシップ、産学官の共同研究など積極的に行なって参ります。それから緑のデザイン賞・緑化大賞を受賞したのですが、地域の方とも協働で緑化による豊かな生活環境を創造し、提案していきたいと考えています。
──地域の方々にご要望はありますか。
黒木/お願いできれば、学生達とわが子のように温かく接して、人間としての教育もして頂きたいと思います。そして祭りやイベントなどのボランティアとして学生達をどんどん活用して頂ければと思います。
──そうですか。早く学生が地域に打ち解けると良いですね。本日は、どうもありがとうございました。(も)