トップページ > ライフケアコンシェルジュデスク > 「患者の顔を見ようとしない医者」
今月は、70歳代の男性会員Iさんから聞いた、「患者の顔を見ようとしない医者」の話を取り上げてみたいと思います。
夜桜見物に出かけたあくる日から寒気を覚えていたIさんは、奥さんの奨めもあって数年ぶりに近所の診療所に出向きました。診察前に看護師の問診を受け、一時間近く待ってようやく診察室へ。医師はパソコンに向かったまま、「今日はどうしましたぁ?」。Iさんが体調不良を告げると、相変わらずパソコンの方を向いたまま、「風邪かなぁ? 季節外れのインフルエンザつてこともあるかなぁ? ちょっと先に検査行ってもらおうかなぁ?」ってな具合で、尿検査に血液検査に心電図…。さらに待つこと一時間後。検査データを眺めながら、「風邪ですかねぇ? お薬出しておくんで、様子見ますかぁ? 再来週また来てくれますかぁ?」。
Iさんいわく、その医師は結局一度もIさんの顔を見ることも、身体に触れることもなかったそうです。最近流行り(?)の典型的なチャラ医(チャランポランな医師の略で、医師不足が叫ばれる一方で、こうしたチャラ医が全国各地に蔓延っていると言われ始めた)がここ都城にも居たということでしょう。
久留米大学の名誉教授で、世界的な神経免疫学の権威・横山光男氏は言っています。「臨床の場で、その人の体調を全て表現し得るデータなど存在しない。最も的確に健康度合いを見分ける方法。それは人相を見ることだ」と。医療の基本は視診・触診・問診です。データ偏重のチャラ医にはくれぐれもご用心を!