複雑社会の老い先案内人 NPO法人二十四の瞳の「ライフケアコンシェルジュデスク」

◎都原町に住む女性から質問

 

『82歳の母が来月手術を控えています。手術時の事故が多いと聞きましたが、患者の家族として最低限注意すべきことを教えて下さい。』

 

A/戴いたFAXを見ただけでは何の病気でどのような手術をするのかが分かりませんので、手術を受ける際に事前確認すべき点を述べます。

 

◆手術前

【1】セカンドオピニオンなしで手術を受けない

【2】年間の症例数を確認

【3】麻酔の専門医がいるか

【4】「成功」の定義を確認

【5】最先端治療のリスクを確認

【6】高齢者は手術を受けないという選択肢も考えよ

【7】研修医の執刀ではないかの確認

 

◆手術当日

【1】手術部位にはマジックで×印をつけてもらうべし

【2】かみそり剃毛の衛生面(剃刀の使用は肌を傷つけ、雑菌の感染を助長するというのが今日の定説)

【3】手術立会いとビデオ収録の可否。可能なら申し入れ

 

◆手術後

【1】術後の管理責任者は誰か

【2】手術所見の作成申入れ

【3】術後一ヶ月以内に死亡した場合は解剖を受けるべし

 

★患者と医者の間で、「手術の成功」についてのイメージが乖離しているために起こるトラブルが非常に多い。医者は問題箇所を摘出すれば「成功」と考える傾向があるので、「手術が成功した場合、術後の生活は具体的にどのようになるのか教えて欲しい」と尋ねる事が重要。その上で、特に高齢の場合は、「手術しない」という選択肢と比較検討する事をお薦めします。