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複雑社会の老い先案内人 NPO法人二十四の瞳の「ライフケアコンシェルジュデスク」

今回は、60代女性からの『市の健診だけでは見落としがあるといけないからという理由で、主治医から盛んに人間ドックを勧められているのですが…』というお問合せを受けて、人間ドックの有効性について考えてみましょう。

 

まず、相談者の健康状態が把握できていないため、この質問に対して一概にイエス・ノーをお答えすることは困難です。また、各医療機関が提供する人間ドックの検査項目数にもばらつきがあることをご理解いただいた上で、よくある人間ドックの落とし穴を紹介します。

 

◎前立腺癌の腫瘍マーカーと乳がん検査は、標準的な人間ドックでは項目外。

◎子宮細胞診は自己採取だと精度は極端に落ちる。専門医による採取が理想。

◎胸部エックス線では早期のがんは見つけにくい。CT検査が望ましい。なお、検診車撮影はフィルムサイズが小さすぎるため、ほとんど意味がないというのが通説。

◎胃のエックス線写真で、がんの発見率は千人に一人。胃カメラだと200人に一人、発見率はなんと5倍。

◎脳梗塞は、脳ドックでないと発見は無理。ただし、血圧、肥満度などの項目から発症リスクを予知する事はできるが、問診指導が伴わないと無意味。

◎家系的にかかりやすい病気を意識して検査項目を絞り込むことが望ましい。商売第一でやみくもに人間ドックを勧める医師もいるので要注意!

 

NPO「二十四の瞳」では、毎月1回、市役所裏の中央公民館で公開講座を開催。受講料500円。

TEL/26-8041

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