No.17
冷静に対処できる
消防士を目指して
都城市消防局 北消防署 東 晃生(こうせい)さん(20)
経験を積んで、どんな時でも落ち着いて対処できる人材になりたい──と話すのは、都城市消防局北消防署に勤務する東晃生さん。
東さんが消防士を志したのは、中学生の頃。職場体験で消防署を訪れた際、訓練を行っている消防士に「かっこいい!」と憧れを抱いた。昨年春に消防学校へ入校。消防学校では、約半年間に亘って消防に関する基礎知識や規律を学び、体力錬成や訓練を積んできた。その後、北消防署へ配属。東さんは現在、警防、救助、救急(※)の全てを行っている。 ※警防は消火活動やドクターヘリの支援など、救助は災害や交通事故などが起こった際の救助、救急は救急車での出動などを行う。
消防士の一日は長い。朝出勤し、翌日の朝までが勤務時間。その24時間のなかで、必ず行われるのが訓練だ。
「想定訓練では、災害を想像し実際にどのように対処するかという訓練を行います。車の正面衝突事故時に車同士を引き離す訓練や、ガードレールを突き破って落ちてしまった人を下まで降りて引き上げる訓練など、あらゆる場面を想定し、訓練しています。実際の現場に出た時にしっかりと動けるように、自分にできることは何かを考えながら、先輩方の指導のもと一つ一つ覚えている最中です」と訓練の大切さを実感している。
人が怪我をしたり、亡くなったりする現場に立ち会うことも多く、初めは怖かったという。
「正面衝突事故の救助時に、実際に初めて心臓マッサージをしましたが、助けたい一心で、他に何も考えられませんでした」と壮絶な現場を振り返る。
宮元修副署長は、東さんについて「明るく元気に日々励んでいます。若いので、失敗を恐れず勇気を出して現場で頑張ってほしい」とコメント。周りの先輩方も期待している様子だ。
「助けた人やその家族に、ありがとうと言ってもらえることが何よりもうれしく、この仕事をしていて良かったと思う瞬間です。将来はどの分野でも活躍できる消防士になりたいです」と取材後も訓練に励んでいた。
暑い日差しの中で訓練をする消防士の皆さんはとてもたくましく見えました。東さん、頑張って下さい!(エタン)