No.16
演劇を通して人間力を
一般社団法人都城ミュージカルクラブ
代表理事・演出 浅野 隆志さん(62)
将来は、プロとして全国公演ができる劇団にしたい──と話すのは、一般社団法人都城ミュージカルクラブ代表理事の浅野隆志さん(TEL:090-2081-6124)。今年の1月に一般社団法人となり、ますます活動の幅が広がったという。
浅野さんは、生まれも育ちも大阪。高校入学時、演劇部に入部。それが演劇の道へ進む第一歩となった。高校3年生で、プロの劇団研究所に入所。芝居中は、自分の存在を感じることができ、生きていると実感することができる、と、さらに芝居へ没頭していく。そして、高校卒業と同時に、劇団へ入団。「就職も決まっていましたが、芝居をしたいという思いの方が勝りました。内定を断り、劇団に入ってからは、これで芝居のことだけを考えていける! なんて幸せなんだ! と毎日を過ごしていました」と当時を振り返る。
29歳でフリーに。プロとして様々な劇団の舞台に出演する傍ら、CM出演や司会業、プロデュース業なども行った。さらに、親子劇場に出演し、全国を飛び回る日々。年に200日はステージに上がっていた。「当時はほとんど家にいることがなかったな」と苦笑い。
その後、平成7年4月、子育ては地方でしたいという考えのもと、都城へ移住。農業を営みながら、家族での生活を楽しんできた。
そして、都城に越して14年目の平成21年5月に都城ミュージカルクラブを旗揚げ。【楽しいだけでは終わらせない。プロの劇団を地方でつくる!】をポリシーに現在まで活動してきた。
「どうせ地方だから……と場所を言い訳にせず、常にプロであることを意識し、クオリティの高いものを演じていけば、全国で通用するレベルに達すると思っています。現在は、小学1年生から25歳まで44名のメンバーがいます。本気で頑張っている子は、悔し泣きをします。それこそが原動力となっていますね。何度失敗しても、諦めずに、夢に向かって走り続けてほしいと願っています。来年の春からは、学校公演や親子劇場であちこちを回る予定です。きっと、さらに成長してくれると思います。メンバーの成長を間近で見れることが何よりの生きがいですね」と劇団やメンバーへの思いは熱い。
都城から、本気でプロを目指している劇団です。皆さんも、ぜひ一度公演に足を運んで下さい。(エタン)