No.14
夢は世界チャンピオン!
プロボクサー
(株)岡崎鶏卵勤務 内野々 竜一さん(25)
全日本新人王決定戦ではいい滑り出しだったにもかかわらず、冷静さを欠き、悔いの残る試合だった──と話すのは、サラリーマンとプロボクサー、二足のわらじを履き、チャレンジを続ける内野々竜一さん。
総合格闘技からボクシングに転向。半年後、プロライセンスを取得し、今年で4年目。ウエスタン延岡ジム所属のミニマム級(47.6kg)、右打ちのボクサーファイターだ。リングネームは内野々大叶(やまと)。
昨年、12月16日に後楽園ホールで行われた「全日本新人王決定戦」にミニマム級の西軍代表として出場、東軍代表の山本浩也選手と全日本新人王の座をかけ対戦した。結果は4回38秒TKOで無念の敗戦。
「1、2ラウンドは相手にプレッシャーをかけながらいい滑り出しだったが、3ラウンドは冷静になれず、相手のペースにハマってしまった。超満員の後楽園ホールはセコンドの声も聞こえないほどの大声援。今までに経験したことがない盛り上がり方に、つい、熱くなってしまった。今まで打ち合いでは負けたことがなかったので、本当に悔しい」と大舞台での試合を振り返る。
新人王を獲得すると日本ランカーになり、現日本チャンピオンへの挑戦権を得られる最短コースだっただけに、悔やんでも悔やみきれないといった様子だった。
株式会社岡崎鶏卵に勤務するかたわら、毎朝10kmのランニングと仕事終わりに公民館などで自主トレ。月に3、4回、往復4時間をかけて延岡の所属ジムへ通い、スパーリングやミット打ちなどの練習をこなしている。
ボクシングにおいて、練習以上に過酷といわれる減量。普段は164cm、56kgほどの体重を試合前には3週間で10kg減量する。今回は2週間、食事量を減らし、残り1週間はほぼ何も口にせず削ぎ落とした。
プライベートでは4人の子どもを持つ子だくさんパパでもある。リングネームの「大叶」は19歳の時に死産した子どもの名前。試合で勝ち、有名になることでその子の名前を羽ばたかせたいという願いからリングネームにしたという。
「食事やメンタル面も大変だが、家族や周りも応援してくれているから」と、気持ちを切り替え、当面は階級を一つあげ、ライトフライ級(48.9kg)でチャレンジ。基礎からやり直し、今回敗れた山本選手へのリベンジを誓う。(順)