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今月の顔

今月の顔 No.10 「JOCジュニアオリンピック第5回全日本ジュニアテコンドー選手権大会 高校生男子 ミドル超級 優勝 永坂 玲央さん」 写真

No.10

自分の限界を試したい

JOCジュニアオリンピック
第5回全日本ジュニアテコンドー選手権大会
高校生男子 ミドル超級 優勝 永坂 玲央さん(18)

 

中途半端にやるのが嫌いなので、何事も全力で取組みたい。悩んだら、みんなが無理だろうと言う方を選んできました――こう話すのは、今年7月に行われたJOCジュニアオリンピック第5回全日本ジュニアテコンドー選手権大会・高校生男子・ミドル超級で優勝した永坂玲央さん

 

永坂さんがテコンドーを始めたのは5歳のとき。道場が新しくできるという新聞広告がきっかけだった。ご両親ともに空手をやっていたこともあり、やってみたい! と門をたたいた。それから欠かさず練習を続け、めきめきと腕を上げ、全国大会で名を馳せる選手となった。

 

「練習が苦しくても、体が痣だらけになっても、今まで辞めたいと思ったことは一度もありません。道場では、小学4年生から大人達に混ざって練習をしてきました。小学生の僕に、手加減なしで向かってくるので、とても鍛えられました。どんなにボコボコになっても、楽しかったなぁ。道場生が1人もいなくなり、先生と2人で練習を続けた時期もありました。その時期があったからこそ、今があるし、先生にはとても感謝しています」と振り返る。

 

ずっと一緒に歩んできた宮崎県テコンドー協会都城支部支部長の鈴木康洋先生は、「永坂くんは頭の良い選手。スポーツをやる上で一番大切な、自分が何をすべきか、何をしたら勝利に繋がるかということを知っていますね。そして、そのためには努力を惜しまず、練習も最初から最後まで全力です。彼なら、世界に羽ばたいていけると信じています」と確信されていた。

 

いつも順風満々というわけではなかった。中学3年生のとき、大事な日本代表選考会の3ヶ月前にサッカーの試合中に足を骨折。完治まで半年とも言われ、選考会への出場も危ぶまれたが、手術とリハビリで何とかギリギリ選考会に間に合った。そして、代表選手に選出され、メキシコで行われた世界ジュニア選手権へ出場。日の丸をつけて戦うという貴重な体験をした。

 

その時、熱心に治療を続けてくれたドクターとの出会いで、新たに「スポーツドクターになる」という夢が生まれた。現在、その夢を叶えるべく、宮崎第一高校に通い、医学部を目指している。

 

「今は、全力で勉強しているところです。睡眠時間は4時間くらい。でも、自分で決めたことなので、全然辛くありません。もちろん、テコンドーも続けたいです。大学に入ったら、もう一度、代表選手になって、次は、世界でメダルが取れるように頑張りたいと思っています。小さな道場からも世界を目指せるということを、頑張っている小学生達にも示していきたいし、活躍することが、先生や今まで一緒に練習してきた人達への恩返しになると思っています。そして、もし選手を引退する時がきても、どんな形であれテコンドーに携わっていきたいと思っています」と、これからの抱負を語ってくれた。

 

熱く、強い信念をもった永坂さんの今後の活躍から目が離せない。(エタン)