No.6
いちご一筋24年
池田いちご園 池田 辰浩さん(47)
いちごを作って24年。腰も痛くなってきて、ああ、年を取ったなぁと思うよ――こう話すのは、池田いちご園(庄内町/TEL:090-9575-6757)の池田辰浩さん。いちご作りのこだわりや苦労話などじっくりと教えて下さった。
いちご作りを始めたのは、20代の頃。MOA自然農法都城普及会の方と知り合い、当初から化学肥料をなるべく使わない土づくりの勉強をしてきた。しかし、全くの素人だったため、最初は失敗だらけ。
「苗が病気になってダメになったり、収量がなかなか増えなかったりと3年くらいは赤字だったね」と振り返る。それでも、ひたすら勉強と実践を重ねた。まずは土が良くないと良いものは作れない。その想いから、にんにくやホワイトリカー、唐辛子などを混ぜた忌避剤を使用。できるだけ化学肥料を使わず土を作っている。
また、甘みを出すために、水量を調節。「水を与えすぎると、甘さがぼけるので、水分を少なくすることも必要。でも、そうすることで収量は少なくなってしまう。それでも、味が良い、美味しいいちごを作りたいから」とこだわりをぽろり。天候に左右されることもあり、時期によって味も変わるので、安定した美味しさを提供したいと今でも試行錯誤を繰り返している。
「辞めようと思ったことは一度もない。大変だけどやりがいがあるし、努力しただけ楽しみもある。それに、美味しかったと言われるとやっぱり嬉しいもんです」と豪快に笑う。新たに挑戦していることは、ブルーベリーづくり。まだ始めたばかりで、手探りの状態だが、いずれはブルーベリー園をやりたいと言う。
「辞めようと思ったことは一度もない」と言い切る池田さんの男気、いちごに対する覚悟が、甘くて美味しいいちごを作っている。(エタン)