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トップページ ＞ 読書道 ＞ 「超・殺人事件　推理作家の苦悩（東野圭吾）」

ここではエタンセレクトの文庫本を中心にご紹介しています。

推理小説が好きな方は、様々なトリックや伏線に唸ることも多いでしょう。今回は、そんな推理小説誕生の裏側を皮肉たっぷりに描いた「超・殺人事件　推理作家の苦悩（東野圭吾・新潮文庫）」を紹介します。

 

東野圭吾と言えば、容疑者Xの献身や手紙、流星の絆、新参者など、多数の作品がドラマや映画などで映像化されている大人気作家です。今作は8話の短編集。全てのタイトルに、「超」が付いています。目次を見た瞬間に笑う方も多いはず。

 

8話のなかでも、私は「超・犯人当て小説殺人事件」がお気に入り。この話は、推理作家に呼び出された出版社の男達が、作家より出された犯人当ての問題を解いていく…というもの。そうしているうちに、殺人が起こり…。

 

問題篇と解決篇に分かれており、問題篇ではすっかりと騙されてしまいました。現実と非現実をいったりきたり。そして、現実も同じように…。

 

他にも、節税のために、想定していたストーリーを強引に変更していく「超税金対策殺人事件」や、書評を書くのに苦しんでいるミステリ評論家が手にした機械「ショヒョックス」が推理小説界を一変させる「超読書機械殺人事件」など、鋭く笑える推理小説の裏側が描かれています。意表を衝くトリック、怖い結末など、推理小説が好きな方にオススメの一冊です。