トップページ読書道 > 「夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)」

エタンセレクト、読書のススメ。『読書道(どくしょどう)』

ここではエタンセレクトの文庫本を中心にご紹介しています。

■恋わずらい(恋の病)

──恋愛の情にとりつかれて心身が病気にかかったようになった状態。

(広辞苑より)

「夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)」表紙今回お勧めする本は、恋は暴走するものなり! と思わせてくれる超キュートな恋愛ファンタジー「夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)」です。

 

この作品は、2007年に第20回山本周五郎賞を受賞、本屋大賞で第二位と、本好きさんの間で話題となっていた作品です。

 

主人公は、大学一年生である「黒髪の乙女」と彼女をひそかに想う「先輩」。「奇遇を装い出会う」という初歩的なアプローチしか出来ない先輩と、そんなことには全く気付かず「奇遇ですねぇ。」と答える天然な乙女。先輩が、恋とは何ぞや…と悶々と考えている姿に、共感できるはず。

 

主人公の二人はもちろん、出会う人々も超個性的。日常からかけ離れたおかしな出来事に、二人ともどんどん巻き込まれていきます。そんな中、少しずつ距離を縮めていく二人。さぁ、先輩の恋の行方は如何に!? 

 

また、第一章から第四章と読みすすめると、季節の移り変わりを感じることが出来るのも魅力。世間離れした格調高い言葉遣いに、最初は戸惑うかもしれませんが、このファンタジーは読まなきゃ損!じわじわ笑える作品です。 ゴールデンウィークのお供にお勧めですよ。