株式会社 上沖産業
■取材協力/株式会社 上沖産業
代表取締役社長 上沖 廣美(61)
北諸県郡三股町大字蓼池4688
TEL/0986-52-4521
今回は、平成元年創業の株式会社上沖産業、常務取締役の上沖和己さん(38)に話を伺いました。
株式会社上沖産業は『徹底した地元貢献』が会社の方針。地元の農作物にこだわる漬物屋です。
平成元年、地元農業生産者の協力を得て、らっきょう、大根、ごぼうなどの農作物を漬物にする一次加工工程の工場としてスタートし、平成11年に漬物の材料となる農産物の生産、加工、販売までを行うメーカーに。平成22年には、株式会社に組織変更、農業生産法人を立上げました。
我社は「地産地消」ならぬ、「地産他消」。地元の農作物を商品にして全国で販売しています。主力商品はらっきょう。国産らっきょうの生産・販売日本一の会社でもあるんです。社員のアイディアで様々な商品を開発。その中にはもちろん、売れる商品、消えていく商品もありますが、作って、売ってみなければ分かりませんから。そこは貪欲に挑戦し続けています。
ほかにも元祖「万能おかず生姜」は全国的に大ヒット。フル稼働でも生産が追いつきませんでした。某有名メーカーがこの商品をヒントに生姜ふりかけを作ったほどなんですよ。
自社栽培ほか、契約農家は三股町、都城市などで約100世帯。定年退職した社員、農家のお年寄りなど100名の方が現役を退いた後にもらっきょうの両切り、皮むきなどに携わり、これらすべてを手作業で行っています。このような、地域ぐるみでの経営の取り組みが「地元密着企業である」と評価を頂き、平成22年に宮崎中小企業大賞のオンリーワン部門で表彰されました。
現在、自社農園ではステムレタス(茎レタス)という珍しい野菜の栽培に取り組んでいます。昨年2011年2月に種まきした春採れが順調に成長、秋採れで本格的に始動します。
地元農家と深く関わりあい、とにかく社員が元気! 会社が元気! という印象でした。上沖さんが語る会社の夢、「日本一の漬物屋」になる日も近いのでは、と思わずにはいられない、まさに、ぼんちの元気企業でした。 (順)
ステムレタスの茎を細く切って乾燥させたものはコリコリとした歯応えがクラゲの食感に似ていることから「山くらげ」と呼ばれ、主に中国原産。これを栽培し、漬物として商品化する新たな取り組みだが、生産の背景には、たばこ農家との関わりが大きい。たばこは値上がりや健康志向と共に需要が減り、昨年、JTからたばこ農家へ同年中に辞める農家に対し作付面積に応じて補助金を支払うという通達があった。これにより宮崎県全体、三股町でもたばこ農家が約半減。たばこ農家は大規模なところが多く、乾燥機などの設備投資も多額。(株)上沖産業では地元農家から相談を受け、葉たばこに変わる新たな農作物を模索。病害虫に強く、葉たばこの乾燥機も使用できることから、茎レタスはたばこ農家の救世主として期待される。