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フットサルを通して社会貢献を――
このようなスローガンを掲げ、宮崎県内を中心に活動する一人の若武者がいる。
その人物は、八木 健太朗(23)。
彼は都城市庄内町出身のプロのフットサル選手で、2011シーズンより中国の一部リーグ『上海徐房(シャンハイシュウファン)』に所属し、ALA(アラ)として攻守に渡り優れた活躍を見せている。
中国に渡る前は、日本フットサルリーグ(Fリーグ)に所属する『バサジィ大分』に在籍していたが、「海外のフットサルを肌で感じてみたい」という願望を叶えるために、昨シーズン上海徐房へと移籍した。
中国のプロフットサルリーグは発足から3年目程で、日本フットサルリーグと同じく歴史はまだ浅い。しかし、リーグ運営の体制やチームの選手管理、国民の認知度など、あらゆる面でフットサルを取り巻く環境は日本の方が優れているという。
そんな状況に、言語の違いによるコミュニケーションの難しさも加わり、日本でプレーしていた時よりも不便に感じる事が多いと語る八木選手。しかし、今は夢に描いていた異国の地に降り立ち、誕生して間もないリーグの歴史を作っていく楽しさを、存分に堪能しているようだ。
そんな彼が、シーズンオフとなった4月末に帰郷した。
その目的は、自身が立ち上げたプロジェクト『F×IEXIE(フィエシエ)』の実行であった。
『F×IEXIE』とは『Football』の『F』に、中国語の『謝謝(シエシエ)(ありがとうの意)』を合わせて作った造語。このプロジェクトを立ち上げた背景を、八木選手は次のように語る。
「今の自分に出来ること――自分にしか出来ないことは何なのか――そう考えた時に、自分にはフットボールがありました。では、そのフットボールを通して何か社会貢献はできないかと考え、各地で有料のフットサルイベントや試合を開催し地域を盛り上げる――そして、そこで得た資金をもとに、世界中の貧しい国や地域などへ物品支援をしたいと考えたんです。
そのような国の1つにパキスタンがあるんですが、実はサッカーボールの7割はこの国で生産されているんです。にも関わらず、パキスタンの殆どの子供達はサッカーボールを持っていないという現実があるんです。
私はサッカーボールと共に成長してきた人間ですので、そんな国へ感謝の意を込めてサッカー用品を贈りたい――そしてF×IEXIEを通して、日本の子供達にも貧しい国の現実を伝えていきたい――そのように考えています」
そんな思いの込められた『F×IEXIE』のイベントが宮崎県で初開催され、都城市でも2012年4月27日と30日にフットサルクリニックが、5月3日にはフットサル大会が行われた。
私は27日の女性・初心者向けのクリニックを取材したが、プロが教える基本動作のレッスンや、遊びの要素を取り入れた斬新なトレーニングの数々に、参加者全員から終始感嘆の声や笑顔が絶えない楽しい時間となっていた。
今回のイベントには大勢のの参加者が集まり、宮崎でのフットサル熱の高まりを感じたように思えたが、八木選手は、自身がイメージするフットサル環境に到達するには、先はまだ遠いと語る。
「宮崎県は全国的に見てもフットサルの認知度が低く、それを取り巻く環境も恵まれているとは言い難い状況にあります。隣の大分県や鹿児島県と比べると明らかで、両県の認知度や環境は全国でもトップクラスですからね!
そこで、自分がフットサルの楽しさをより多くの人に伝え、競技者の数を増やすことで、盛り上がっていくための地盤を作りたいと考えています」
『F×IEXIE』は現在、八木選手一人で活動しているが、将来は賛同してくれる人や企業と一緒になって活動したいと考えているようだ。
同プロジェクトに興味のある方は、ぜひ連絡してみてはいかがだろうか。
そして約3ヶ月後には、いよいよ2012―13シーズンが開幕する。リーグ優勝を目指して戦う八木選手を、ブログを通して応援しよう!
八木 健太朗プロフィール
[生年月日]1989年4月11日(23)
[身長]170cm [体重]60kg [出身]都城市庄内町
[所属チーム]上海徐房 [背番号]13 [ポジション]ALA
都城市庄内SSS〜都城市庄内中学校サッカー部
〜市立鵬翔高等学校サッカー部
[2008-2009]国立法人大分大学体育会サッカー部
[2009-2011]バサジィ大分(日本フットサルリーグ)
[2011-]上海徐房(中国フットサルリーグ)
元U-21フットサル日本代表候補(2010年)