都城市出身・在住の佐倉秀樹さんの著書、「光と影のドラマ」が6月、全国発売されました。そこで、佐倉さんに今回の作品についてお話を伺いました。
──「光と影のドラマ」は学校や社会での生きる辛さを感じている人に捧げる童話、ということですが、現代社会への問題提起が描かれているように感じました。子供向けの童話、というよりはどちらかというと大人向けのような…。なぜ、今回のような作品を書こうとお思いになったのですか。
佐倉 大人向けの童話です。特に僕と同じような弱い部分を持った人には共感してもらえるかなと思っています。大人と若者、いじめられっ子(ピエロ)といじめっ子(観衆)、マストアイテム(携帯電話)の有無、容姿の違い等、違うことから始まる「差別」について問題提起し、「人間なんて皆、地球という球の上で球乗りさせられているピエロなんだ」ということと「人が誰かを好きになるのも、その人が他の誰とも違うからなんだ」ということを伝えようとしています。
──自身の体験談をもとに書かれた作品なのでしょうか。
佐倉 自身の体験談と考えと空想を混ぜ合わせて書きました。子供の頃、読んだ本から題材をとったりもしました。
──童話8篇で構成されていますが、この辺については。
佐倉 本は短編集と決まっていました。本に一つのテーマを持たせたかったので、同じ雰囲気の作品を集めました。現時点で完成度の低い作品は載せませんでしたので、この8篇です。
──6月に全国発売されたそうですが、今作がデビュー作なのでしょうか。また、どのようなプロセスで全国発売に至ったのでしょうか。
佐倉 今作がデビュー作です。日本文学館主催の超短編小説大賞に応募したところ、ぜひ短編集を出してくださいという話が来ました。応募作は「光と影のドラマ」と「僕たちサーカス団」でした。
──周囲の反応などはいかがですか。
佐倉 都城の本屋に並んだのが6月12日くらいで、まだ感想もそんなに聞けていないのですが、読んでくれた人達からは、読みやすく不思議な世界観で面白かったと好評をいただいています。
──今回は童話ですが、今までの作品にはどのようなものがありますか。また、いくつの時から本を書き始めたのでしょうか。そのきっかけや少年時代のことなどを教えてください。
佐倉 今までの作品は長編が多く、中でも刑事ものが多いです。設定や世界観は今作と似て不思議で独特ですが、娯楽性は高いと思います。
本を書き始めたのは20歳からです。大学時代の友人達がお笑い芸人になろうとしてネタ帳をつけていたり、シナリオを書いてテレビ局に送ったりしていて、それを見て自分も何か書いてみようと思って書き始めたら友人達に好評だったのが嬉しくて、それからです。
少年時代は今と変わらず、人より頭の回転が遅くて不器用で、何かと大変でした。その少年時代からあまり成長がなく、今も大変ですが、ただ少年時代に感じたことを今も大事にしているから、自分は作品が書けるのだと思っています。
──今後の予定について教えてください。
佐倉 今まで書きためた作品とこれから書く作品、全部をたくさんの人に読んでもらえたらいいなと思います。大きい夢はプロになることです。
──最後にみなさんへひとことお願いします。
佐倉 本を読まない人にも読みやすくて、今までの本にない不思議な世界観で楽しめる作品だと思いますので、ぜひ読んでみてください。面白かったら、ご友人にもぜひ薦めてみてください。
※ ※ ※
質問にひとつひとつ丁寧に答えてくださった佐倉さんの著書、「光と影のドラマ」は現在、田中書店妻ヶ丘本店で販売されています。また、全国の紀伊国屋・三省堂・ジュンク堂系列の書店でも販売。注文はお近くの書店、インターネットで。
独特な世界観は佐倉さんならでは。また、童話から刑事ものまでと幅広いジャンルに今後の活躍が期待されます。(順)
著者プロフィール…佐倉 秀樹(さくら ひでき) 昭和52年生まれ。宮崎県都城出身。平成12年大分大学経済学部卒。 |