今月の顔

No.10 自分の限界を試したい

JOCジュニアオリンピック
第5回全日本ジュニアテコンドー選手権大会
高校生男子 ミドル超級 優勝 永坂 玲央さん


No.9 柳田酒造合名会社 五代目 柳田 正さん

中途半端にやるのが嫌いなので、何事も全力で取組みたい。悩んだら、みんなが無理だろうと言う方を選んできました――こう話すのは、今年7月に行われたJOCジュニアオリンピック第5回全日本ジュニアテコンドー選手権大会・高校生男子・ミドル超級で優勝した永坂玲央さん

永坂さんがテコンドーを始めたのは5歳のとき。道場が新しくできるという新聞広告がきっかけだった。ご両親ともに空手をやっていたこともあり、やってみたい! と門をたたいた。それから欠かさず練習を続け、めきめきと腕を上げ、全国大会で名を馳せる選手となった。

「練習が苦しくても、体が痣だらけになっても、今まで辞めたいと思ったことは一度もありません。道場で は、小学4年生から大人達に混ざって練習をしてきました。小学生の僕に、手加減なしで向かってくるので、とても鍛えられました。どんなにボコボコになって も、楽しかったなぁ。道場生が1人もいなくなり、先生と2人で練習を続けた時期もありました。その時期があったからこそ、今があるし、先生にはとても感謝 しています」と振り返る。

ずっと一緒に歩んできた宮崎県テコンドー協会都城支部支部長の鈴木康洋先生は、「永坂くんは頭の良い選手。スポーツをやる上で一番大切な、自分が何をすべきか、何をしたら勝利に繋がるかということを知っていますね。そして、そのためには努力を惜しまず、練習も最初から最後まで全力です。彼なら、世界に羽ばたいていけると信じています」と確信されていた。

いつも順風満々というわけではなかった。中学3年生のとき、大事な日本代表選考会の3ヶ月前にサッカーの試合中に足を骨折。完治まで半年とも言われ、選考会への出場も危ぶまれたが、手術とリハビリで何とかギリギリ選考会に間に合った。そして、代表選手に選出され、メキシコで行われた世界ジュニア選手権へ出場。日の丸をつけて戦うという貴重な体験をした。

その時、熱心に治療を続けてくれたドクターとの出会いで、新たに「スポーツドクターになる」という夢が生まれた。現在、その夢を叶えるべく、宮崎第一高校に通い、医学部を目指している。

「今は、全力で勉強しているところです。睡眠時間は4時間くらい。でも、自分で決めたことなので、全然辛 くありません。もちろん、テコンドーも続けたいです。大学に入ったら、もう一度、代表選手になって、次は、世界でメダルが取れるように頑張りたいと思って います。小さな道場からも世界を目指せるということを、頑張っている小学生達にも示していきたいし、活躍することが、先生や今まで一緒に練習してきた人達 への恩返しになると思っています。そして、もし選手を引退する時がきても、どんな形であれテコンドーに携わっていきたいと思っています」と、これからの抱負を語ってくれた。

熱く、強い信念をもった永坂さんの今後の活躍から目が離せない。(エタン)



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