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高齢社会の今、認知症などによって日常生活に支障が出てきているお年寄りが増えてきています。また、そうしたお年寄りを狙った詐欺事件などをニュースでよく目にするようになりました。そこで今回、物事を判断する能力が十分ではない人であっても、いつまでも安心して暮らせるように設けられた、成年後見制度について取り上げます。前回に引き続き都城市役所の健康部介護保険課に伺い、その制度について戸髙博さんと安樂一也さんに詳しくお話を聞きました。

─前回伺った際、「成年後見制度」についての相談が急増していると聞きました。まず、どういった制度なのか聞かせてもらえますか。

認知症の方や精神障がい・知的障がいをお持ちの方は、ご自身で物事を判断する能力が十分ではないことがあります。高齢社会の今、認知症を患っている方は以前と比べて増えてきています。その場合、ご自身でお金を管理したり、市役所や病院・介護施設で手続きしたりすることが難しく、日常生活に支障が出てしまいます。また、詐欺事件に遭ってしまう危険性もあるんです。悪徳業者にお金を騙し取られて、取り返しのつかないことになってしまう方もいらっしゃいます。それは悪徳業者に限りません。残念なことに知人や近所の人など、身近な人からお金を使い込まれたり、騙し取られたりするケースも少なくないのです。そうした不利益を被ることなく、安心して日常生活が送れるように、成年後見人などといった援助者を立て、ご本人に代わって財産を管理したり、医療機関や介護施設などと契約を結んだりすることで、法的に保護・支援するのが成年後見制度です。

【第4回】成年後見制度_表1
─後見人はどなたが?

家庭裁判所によって適切だと思われる人が選任されます。以前はご家族が後見人になることが多かったのですが、トラブルになる事例もあることから、最近は司法書士や社会福祉士など、各分野の専門家の方が選ばれるケースが増えています。あとは、複数の後見人がつく場合もあります。財産管理は弁護士や司法書士、介護関係は社会福祉士やご家族というように、ご本人が必要とする支援に合わせて後見人となる方が複数選ばれるのです。

─必要な方は是非利用したい制度ですね。ただ、お金を人に管理されるのは気が進まないという方もいるのでは?

確かにいらっしゃいます。そのため、この制度には「後見」「保佐」「補助」と3つの種類があり、ご本人の意思と判断能力の程度に応じて、利用する制度を選んでいただくことができます。たとえば、介護施設への入所契約は援助者にお任せし、財産管理はご自身ですることもできます。

─ご本人の意思が尊重されるのですね。制度を利用したい場合は、どこで手続きを?

 家庭裁判所に審判の申立をする必要がありますが、まずは気軽に地域包括支援センター、もしくは市役所の介護保険課にご相談に来ていただければと思います。相談内容を伺った上で、家庭裁判所におつなぎします。ご本人が手続きをするのは難しいですから、ご家族が代わりにされるケースがほとんどですね。

─ただ、最近は身寄りが近くにいない、一人暮らしのお年寄りも増えていますよね。

 ええ。身寄りがいない、もしくはお子さんが遠方に住んでいて、手続きするのが困難だというケースも多いです。そうした方には、「市町村長申立」という手段を活用できます。ご本人に代わって、市町村長が手続きをするというものなんですよ。それに、都城では成年後見制度利用事業も行っており、費用負担が困難である場合には市町村が代わりに制度の申立に掛かる費用や後見人などへの報酬の全部、または一部を助成しています。

【第4回】成年後見制度_表2
─どなたも利用しやすいようにされているんですね。

 ええ。あと、現在力を入れているのが、任意後見制度の普及啓発です。これまでお話ししてきたのは、すでに判断能力がない方を対象とした、法定後見制度です。あともう一つ、まだ判断能力はあるけれど、将来のために備えておきたいという方のために、任意後見制度というものがあるんです。判断能力が衰えてからでは、ご本人の意思を尊重しづらくなりますし、たとえば親のお金の管理をどうするのか子ども同士で揉めるケースもあるので、あらかじめ備えていただきたいですね。

─どれだけ重要な制度か分かりました。成年後見制度の利用が進むといいですね。

 都城市では平成24年度から「成年後見ネットワーク会議」というものを設置しています。弁護士会や警察署、精神保健福祉士会、地域包括支援センターなど、地域における複数の関係機関と密に連携を取り、高齢者や障がいをお持ちの方への相談支援体制づくりを確立しています。どこに相談していただいても、その内容に応じて、適切な機関へおつなぎすることができるようにしていますよ。また、同会議の取り組みとして、成年後見制度に関する講習会や相談会も開いていますので、ぜひ足を運んでもらいたいですね。

■取材協力/☎23-3184
 都城市役所 健康部 介護保険課

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